日本ビジネスシステムズ株式会社に関する株主提案とその背景
日本の資本市場において、ESG(環境・社会・ガバナンス)への配慮がますます重要視されています。その中で、Swiss-Asia Financial Services Pte Ltd(以下、SAFS)が運営するGlobal ESG Strategy(GES)は、日本ビジネスシステムズ株式会社(以下、JBS)に対して、積極的なエンゲージメントの一環として株主提案を行いました。2023年からJBSに投資しているGESは、現在株式の2%以上を保有し、同社に対して企業価値向上のための施策を提示しています。これらの提案は、2024年12月に予定されているJBSの定時株主総会に向けて提出されたものです。
JBSの状況
JBSは、2022年8月に上場した企業です。しかし、その後の資本政策や経営戦略において、いくつかの重要な失敗が見受けられます。上場からわずか2年足らずで、同社は業績の見通しを下方修正し、早期に中期的な業績計画が失敗に終わる事態が続いています。特に、次のビジネスプランに対する投資家への説明責任が果たされず、株主の信頼を損なっている状況です。
また、JBSは上場直後の企業買収後、急速に業績が低迷し、設立以来最大の危機を迎えています。特に、直後に行ったNextscapeの買収は、数ヶ月後にはその価値がゼロと見なされる一方で、その説明責任が経営陣からは提供されていません。このような企業の失策は、株価を低迷させ、多くの投資家からの信頼を失う原因となっています。
株主提案の内容
GESが提出した株主提案には、以下の6つの項目が含まれています:
1.
余剰金の配分 – 株主の利益を最大化するために余剰金の使途を見直します。
2.
定款の一部改正(余剰金の配当方針) – 配当政策の透明性を高めます。
3.
定款の一部改正(不動産取得方針) – 不動産投資戦略の見直しを掲げます。
4.
定款の一部改正(資本コストと株価を意識した経営) – 経営方針の透明化を図ります。
5.
定款の一部改正(上場セグメント変更に関する計画の策定と開示) – 上場を通じた成長戦略を再考します。
6.
定款の一部改正(株主との個別ミーティングに関する取締役会の同意) – 株主との対話を強化し、意見を積極的に反映します。
これらの提案を通じて、GESはJBSにおけるガバナンスの改善を図り、持続可能な成長を促進したいと考えています。特に、株主の利益を最大化し、透明性のある経営を実現するための基盤を整えることが期待されます。
経営改善に向けた展望
GESの提案が通過すれば、JBSは今後の経営戦略を見直す重要な機会を得ることになります。これにより、資本市場での評価を向上させる新たな道を開くことができるでしょう。特に最近の資本効率の低下や、株主との対話不足が問題視されている中、これらの施策は経営改善に必要不可欠です。
私たちは、株主提案がJBSの経営に好影響をもたらし、企業としての責任を果たすことができるよう期待しています。今後のJBSの動向に注目していきたいところです。