一橋大学と大東建託による新たな家賃指数の誕生
一橋大学と大東建託が共同で新しい家賃指数を開発した。この取り組みは、賃貸市場における透明性を高め、賃貸住宅の持続可能な発展に寄与することを目的としている。具体的には、「一橋大学・大東建託CPI方式家賃指数」と「一橋大学・大東建託ヘドニック方式家賃指数」という二つの新しい家賃指数が発表された。
1. 開発の背景
国民の生活費の大部分を占める家賃の実態を正確に測定するための必要性が高まっている。総務省が公表している消費者物価指数(CPI)の中でも、民営家賃の件数は全体の20〜30%を占めるものの、近年その上昇率は鈍化している。このため、実際の市場の動向と乖離が生じており、より信頼性の高いデータが求められていた。
2. 新たな家賃指数の概要
2.1 一橋大学・大東建託CPI方式家賃指数
この指数は、大東建託が管理する賃貸物件の情報や家賃データを基に、CPI家賃指数の算出方法を参考にしている。ただし、物件ごとの面積や建物の構造である木造と非木造との違いを調整して算出されるため、従来のCPIとは異なる動きを示す場合が多い。これを利用することで、2025年8月から全国及び東京23区、さらに都道府県別で月次情報として公表されていく。
2.2 一橋大学・大東建託ヘドニック方式家賃指数
一方、ヘドニック方式家賃指数は、築年数や地上階数、居住設備といった多様な要因を考慮した専門的な算式に基づいています。この指数は、当月に新規に契約した賃貸物件のみを参考にしており、市場での家賃決定の動向を早期に反映することができます。現段階では、学術研究や市場分析の目的に限定され、一般には公開されない予定です。
3. 今後の展開と期待
この新たな試みは、賃貸市場における指標の一つとして不動産業界はもちろん、一般市民にも影響を与えることが期待されている。一橋大学と大東建託の取り組みにより、持続的に成長する賃貸住宅市場が形成され、より住みやすい環境が整備されることが望ましい。
4. 情報公開の場
新しい家賃指数の情報は、以下のウェブサイトで確認することができる。信頼できるデータを基にした賃貸市場の動向を把握するため、ぜひ訪問してみてほしい。
- - 一橋大学社会科学高等研究院 国際公的統計研究・研修センター ウェブサイト: こちら
- - 大東建託 賃貸未来研究所 ウェブサイト: こちら
これより、家賃に関する情報がより透明化し、地域や全国規模での賃貸市場の理解が深まることを願ってやまない。新指標の導入がもたらす影響は、今後注視していく必要があるだろう。