デジタル治療の革新
2020-12-03 10:00:53

シンガポールの企業、神経変性疾患治療のデジタルソリューションに230万米ドル調達

シンガポールに本社を置くNeuroglee Therapeuticsは、神経変性疾患の治療を目的とした革新的なデジタル治療ソリューションの開発を進めています。最近、同社はプレシードラウンドにて230万米ドルの資金を調達したことを発表しました。この資金は、特にアルツハイマー病などの軽度~中等度の神経変性疾患を持つ患者への支援を強化することに投資されます。

Neurogleeの主力製品NG-001は、家庭内のタブレット端末を通じて、患者の認知機能や気分の向上を図ることを狙ったデジタル治療プラットフォームです。このプラットフォームは、認知介入をゲーミフィケーションの要素を取り入れた形で提供し、ユーザーの体験をリッチにすることを目指しています。従来の薬物療法と並行して使用されることで、患者の状況をリアルタイムにモニタリングできるのが特長です。

資金調達のリードインベスターとして、製薬業界のリーダーであるエーザイが名を連ねており、シンガポールの医療スタートアップBiofourmisのCEOも投資に参加しています。このような資金提供により、Neurogleeは今後の製品開発を加速させ、神経変性疾患の治療の向上に貢献していく予定です。

データによると、神経変性疾患の影響を受ける患者はますます増加しており、特に日本やアメリカでは高齢化が進む中で認知症患者の数が増大しています。シンガポールにおいても、60歳以上の高齢者の10人に1人が認知症である可能性があると推定されています。こうした厳しい現実の中で、Neurogleeは新たな治療アプローチとしてデジタル療法を提示しています。

Neurogleeの独自のソフトウェアは、バイオマーカーを活用し患者の認知機能を個別に評価し、パーソナライズした介入を行います。また、治療内容は動的に調整されるため、患者ごとのニーズに合致したアプローチが可能です。特に、ゲーミフィケーション手法を取り入れ、楽しく認知機能をトレーニングすることができる点が、この療法の魅力の一つです。

さらに、同社の製品は臨床医や介護者にもメリットを提供します。NG-001を通じて、患者の反応や治療に対する適応度をリアルタイムで解析できることから、医療従事者はより効率的に治療をサポートすることができます。これにより、患者と臨床医とのコミュニケーションも円滑になり、より良い治療が実現できると期待されています。

Neurogleeは、2021年にNG-001の臨床試験を開始する予定で、米国進出も計画しています。高齢化社会を背景に、神経変性疾患に対する治療のニーズが高まる中、同社の取り組みは注目されています。デジタルヘルスの市場において、Neurogleeは今後どのような展開を見せるのか、期待が寄せられています。

会社情報

会社名
Neuroglee Therapeutics Pte. Ltd
住所
2 Venture Drive, SingaporeVision Exchange, 15-32
電話番号

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