雷サージから電子機器を守る共同実験設備が完成!
冬季雷が頻繁に発生する石川県後高山に、株式会社セイクンは新たな実験設備を整えました。この施設では、高さ30メートルを超える鉄塔が建設され、雷サージ対策の実証実験が行われます。特に、電子機器が雷から受ける影響を抑えるためのデータ取得に力を入れており、実施を通じてさまざまな雷サージ対策が検討されています。
初の試み、電子機器の保護
株式会社セイクンは2021年から、冬季雷多発地域において研究を進めており、この度の設備完成はその集大成と言えます。実証実験では、大学の指導のもとで雷サージの影響を受けやすい電子機器の保護システムが導入され、独自開発の「自動電源抜き差し装置」が設置されました。この装置により、雷雲を感知した際に自動的にコンセントが切断され、電子機器への雷サージの侵入を防ぎます。
冬季雷の特性
日本海沿岸の冬季雷は、しばしば大きなエネルギーを伴い、その直撃から守るための対策が急務です。特に誘導雷によって引き起こされる雷サージは、建物に直接落雷しないものの、電源線や通信回線を介して電子機器にダメージを及ぼす可能性があるため、従来の避雷針だけでは十分な策とは言えません。
実験施設の重要性
新設された施設は、実際の自然環境下でのフィールド実験が行えるため、真実のデータに基づく解決策が模索されています。中部大学の山本教授や、避雷器の大手製造元、株式会社昭電との共同実験を通じて高い精度でデータの記録が行われ、雷サージに対する効果的な対策が評価されます。特に、山本教授の専門知識が実験施設の設計や実証にとって不可欠です。
最新技術の導入
セイクンの自動電源抜き差し装置は、雷雲の発生を感知すると、接続されている電子機器の電源を自動的にオフにし、雷サージによる被害を回避します。通常の運用に戻る際には、自動的に電源が再接続されます。これにより雷サージの防護を確実にします。
この実験を通じて期待される成果は、雷サージに関する新たな知見や、より効果的な防護策の開発につながるでしょう。特に直撃雷と誘導雷の両方からの完全な保護を実現するための第一歩を踏み出しました。
経済への貢献
セイクンは、雷からの完全保護を追求することで、安全な電気設備の整備や電子機器の安定運用に貢献し、ひいては地域の経済活動の保護にも寄与することが期待されています。将来的には、これらの研究成果を全国規模で広げ、より多くの事業者や家庭に安全な雷サージ対策を提供することを目指します。
これまで直撃雷の対策が中心でしたが、今後は冬季雷による雷サージへの理解を深め、実用的な対策を社会に提供していくことが求められています。セイクンはこの研究を通じ、新しい「雷のトータルプロテクト会社」としてのビジョンをさらに推進します。