ジョーシスの新機能アップデート
ジョーシス株式会社が、SaaS利用の拡大に伴うセキュリティ・ガバナンスの課題に対応するため、新機能アップデートを発表しました。これにより、企業は現在のゼロトラスト時代に求められる堅牢なIT基盤を手に入れることができます。新しい機能では、多要素認証(MFA)や外部共有管理、特権アカウントの監視、さらに未承認アプリや生成AIの検知が強化されています。
リリースの背景
最近、SaaSの急速な普及は便利さをもたらす一方で、企業が直面するリスクも増大しています。具体的には、次のような問題が指摘されています:
- - セキュリティ危機: シャドーITの増加やMFA未設定、不適切な外部共有による情報漏洩リスク。
- - ガバナンス危機: アクセス権限の不透明性と監査対応の困難さ。
- - ファイナンス危機: 使われていないアプリや余剰ライセンスによる無駄なコスト。
実際に、権限設定ミスや外部共有の不備により、国内外で数十万件の個人情報漏洩事例が報告されています。これを受けて、企業は、「セキュリティ・統制・コスト最適化」を同時に実現可能なSaaS管理基盤が必要とされています。
アップデート情報
今回発表された新機能について詳しく見ていきましょう。
1. 従業員マスターの追加
外部ソースから従業員情報を一元管理できる「従業員マスター」が加わりました。この機能により、入社から退職までのライフサイクル管理が効率化し、IDや権限の管理精度が向上します。今後、対応する外部ソースは増やしていく予定です。
2. Entra IDとの連携
Entra IDから必要な従業員のみを選択し、ジョーシスに連携することが可能になりました。これによって、特定の部署や子会社単位でのデータ管理が柔軟に行えるようになりました。
3. リスク評価レポート
検知アプリについて、コンプライアンスおよび生成AIの使用現状を分析し、専門チームによるレビューを経たリスク評価レポートを提供します。利用者数とリスクを可視化し、生成AIアプリに特化した分析も実施可能です。
4. シャドーITの特定
未承認のアプリや生成AIサービスを自動検知し、そのリスクをAIによってスコアリングし、可視化します。この機能により、利用状況に応じたアラート通知が行われ、潜在リスクを早期に排除できます。
5. 権限管理ダッシュボード
各アプリごとの権限を一覧化し、特権アカウントの利用状況を可視化します。これにより、権限の集中や偏りを把握でき、最小権限のゼロトラスト基盤の実現が進みます。
6. 外部共有の監視
クラウドストレージの外部共有状況をリアルタイムで監視し、許可されていないドメインやアドレスへの共有を制限することが可能です。これにより、情報漏洩のリスクを大きく減少させます。
7. ポリシーの自動適用
AIがアクセスポリシーの設計をサポートし、ワークフローを通じて自動的に適用される仕組みを設けました。これにより、手作業や属人的な運用を排除し、権限管理が一貫性を持つようになります。
8. MFAの強制適用
全ユーザーの多要素認証の設定状況を可視化し、未設定の際には強制的に適用することが可能になりました。これにより、不正アクセス防止と監査対応が強化されています。
今後の展望
ジョーシスは、AIとポリシーベースの自動化を利用することで、IT部門が属人的な運用から解放され、常に高いセキュリティとガバナンスを維持できる「自律型SaaS管理クラウド」の実現を目指しています。
ジョーシス株式会社について
ジョーシスは2022年に設立された多国籍スタートアップ企業です。ミッションは「Simplify IT, Empower communities」。アメリカ、インド、日本、シンガポール、オーストラリア、ベトナム、インドネシア、マレーシアに350人以上の従業員を擁し、グローバルにSaaS管理プラットフォームを提供しています。これまでに320億円の資金を調達し、現在700社以上の企業がそのサービスを利用しています。