リースバックとは何か
リースバックは、自宅を不動産会社に売却し、その後も引き続き住み続けることができる仕組みです。売却資金を手に入れながら、賃料を支払って居住を続けられるため、特に高齢者にとって注目されています。この仕組みが今注目されているのは、安心して老後を過ごすための手段としてのニーズが高まっているからです。
調査の背景
最近、リースバックの取引件数が年々増加していることが国土交通省の調査からも明らかになっています。特に高齢者がその中心となっており、資金確保のための方法の一つとして認知されています。しかし、実際のところリースバックの利用意向は厳しめで、調査を通じてさまざまな声が浮かび上がりました。
調査の概要
株式会社ワイズワンホームが実施したこの調査では、40歳から80歳未満の持ち家居住者2,087名を対象とし、リースバックについての認知度や理解度を測定しました。
- - 調査日: 2025年3月13日
- - 調査方法: インターネット調査
- - 調査地域: 東京都及び神奈川県横浜市、川崎市
認知度と理解度
調査結果によると、リースバックの認知度は62.9%となりましたが、仕組みそのものの理解度は35.0%という意外な低さです。多くの方が「名前は知っているが、詳しくは知らない」という状況にあり、理解を深める必要があることが分かりました。
利用意向
「リースバックを利用したいと思うか?」という問いに対し、約80%が「利用・検討したいと思わない」と回答しています。一方で、利用を検討する理由としては、老後資金の確保が最も多く、続けて生活費の補てん、相続対策が挙げられました。
高齢者の心理
リースバックを利用する際の大きな理由の一つは「自宅を売ってもそのまま住み続けられる」という点です。この仕組みは、生活環境を変えたくないという心理と強く結びついています。また、「周りに自分が家を売ったことを知られたくない」という理由も浮かび上がりました。
注意点とリスク
山中 英紀氏が指摘するように、リースバックにはリスクも伴います。時には低価格で家を買い取る悪質な業者も存在し、その後の賃料が相場より高く設定される可能性があります。特に長年その家で生活してきた高齢者がこの契約を結ぶことは、理解が難しく、場合によっては大きな損失を被ることがあるのです。
結論
高齢者の方々には、リースバックのリスクをしっかりと理解し、自分の家に対する強い思い入れを持ちながらも、慎重に判断することが必要です。もしリースバックを考える場合は、複数の不動産会社を比較し、信頼できる相談相手を持つことが重要です。子供や友人に相談することで、適切な判断材料を得られるでしょう。