有松絞りの未来
2021-05-19 15:00:16

デジタルファブリケーションで有松絞りを未来へ繋ぐ試みとは

有松絞りとデジタルファブリケーションの融合



愛知県名古屋市の有松町・鳴海町で継承されてきた伝統工芸、有松絞り。この美しい木綿絞りは、江戸時代初期に始まり、さまざまな模様を描き出すことができます。その軽やかなデザインは、手ぬぐいや浴衣地として人気を集め、現在では全国一の絞り染め産地として知られています。しかし、近年のこの職人技を担う後継者不足が深刻な問題となっており、有松絞りも避けられない状況にあります。

有松絞りの現状



有松絞りの製造過程では、一番難易度の高い「絞り加工」の技術が求められます。この特別な技術を使った絞り模様は、職人の技巧に依存しているため、後継者がおらず、技術が途絶えてしまう危険性があります。このような状況を踏まえ、株式会社matomatoはデジタルファブリケーションを利用した新たな継承の道を模索し始めました。

デジタル技術による新たな試み



今回、matomatoが手がけたプロジェクトは、有松絞りの凹凸を再現したテーブルの制作です。この取り組みでは、3Dスキャンを用いて有松絞りの表面模様をデジタル化し、そのデータを基にレーザーカッターで木材に凹凸を施しました。これにより、伝統技術をデジタルによって可視化し、新たな形で表現することが実現したのです。なお、プロジェクトには池本しょうこ氏と田住梓氏が関わり、山上商店から素材が提供されました。

完成したテーブルの特徴



テーブルとしての実用性も考慮し、凹凸を滑らかにする工夫が施されています。数多くの試作品を経て完成したこのテーブルは、凹凸の美しさが際立ち、視覚的にも手触り的にも楽しませてくれる作品となりました。その表面は、思わず撫でたくなるような独特の感触を持ち、使う人に喜びを提供します。

実際に体験できる場所



このテーブルは、愛知県の「セブンストーリーズ(SEVEN STORIES)」という宿泊施設の6階、有松をテーマにした部屋に展示されています。ここでは、7組の建築家がそれぞれ手掛けたデザインが楽しめ、高いデザイン性が融合した空間を味わうことができます。

公式サイト: セブンストーリーズ

未来に向けた取り組み



今回の制作を通じて、伝統工芸品の素晴らしさを再認識しました。今後は、3Dスキャンや3Dプリントを活用し、デジタルアーカイブ化を進めていく考えです。この取り組みにより、有松絞りを含む日本の伝統工芸品の価値を後世に伝え、地域の文化を守る活動が引き続き行なわれます。

問い合わせ



具体的な制作内容や今後の活動についてのお問い合わせは、以下までご連絡ください。

株式会社matomato
〒451-0042 名古屋市西区那古野2丁目14-1 なごのキャンパス
担当:松田
TEL:080-3683-4623
Email:[email protected]
公式ウェブサイト

この新しい試みが、伝統工芸の未来にどのように寄与するのか、私たちも注目していきたいと思います。

会社情報

会社名
株式会社matomato
住所
愛知県名古屋市西区那古野2丁目14-1なごのキャンパス NORTH
電話番号

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