サソリ毒で農業革新
2025-09-01 14:20:53

サソリ毒を活用した新たな農業革命が始まる!抗真菌剤の開発に挑む二人の実践者

サソリ毒から新しい農薬を目指すプロジェクトが始動



“生きた化石”とも称されるサソリの毒を使った抗真菌剤の開発プロジェクトが、クラウドファンディングのプラットフォームであるCAMPFIREで開始されました。通信制大学で学びながら生物学研究に従事する梶並 魁氏と、大阪府高槻市で爬虫類ショップ「叢雲屋」を運営する谷渕 史明氏の二人が手掛けるこのプロジェクトは、901万円の目標金額を掲げ、サソリの毒液から革新的な農薬の開発を狙っています。

プロジェクトの背景


近年、植物の病害が増加しており、農林水産省もキャベツ栽培における菌核病の被害を報告しています。このような背景から、植物に特化した新しい薬剤の必要性が高まっています。本プロジェクトでは、サソリの毒を基にした抗真菌剤を開発し、植物の病気を治療するとしています。

サソリ毒の特性に迫る


サソリは、4億年以上前から地球上で生き続けてきた生物で、進化した毒腺はその生存において重要な役割を果たしています。サソリの毒には、ペプチドと呼ばれる成分が含まれており、その中には神経毒作用を持つものと抗菌、抗真菌、抗ウイルス作用を示すものがあります。これらのペプチドは、昆虫を捕獲するために進化してきたと考えられています。

植物病の免疫システムとしての活用


本氏は、サソリの毒の中に隠された免疫システムを植物病治療に応用するというアイデアを持っています。サソリが自身を防衛するために進化させた抗菌ペプチドを使い、植物が真菌に感染するリスクを軽減することが期待されています。この新薬剤が成功すれば、植物を真菌や細菌による病害から守る新たな手段が生まれることになります。

資金調達と今後のスケジュール


今回のプロジェクトは、3段階を経て進行します。第一段階では、アジアに生息する大型サソリ40匹から毒液を抽出し、そのペプチドのアミノ酸配列を解析します。第二段階では、解析データをもとにペプチドを合成し、抗真菌作用のスクリーニングを実施します。最終的に、検証が成功すれば、製品化に向けた準備を進めるので、2026年には新薬の市場投入が目指されています。

また、クラウドファンディングのリターンとしての特典も用意されており、100,000円コースでは研究開発に必要なペプチド化合物の詳細なアミノ酸配列ライブラリが提供されます。

新しい農薬開発の意義


現在の農薬には、多くの場合、使用後に土壌に残留する課題がありますが、今回開発される予定の薬剤は病原体に対して特異的に作用し、土壌の再利用が可能になると期待されます。このような新しい農薬の開発は、農業現場における効率化や環境保護にも寄与するでしょう。

最後に


このプロジェクトは、個人研究者と爬虫類ショップの異色タッグによる斬新な取り組みです。彼らの挑戦がどのように進展するのか、今後の展開が非常に楽しみです。サソリの毒という意外な資源が、今後の農業をどう変革していくのか、注目が集まります。

会社情報

会社名
サソリ毒液事業会
住所
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。