海への愛着は薄れつつある? - 日本財団「海と日本人」意識調査 -
日本財団は、7月15日の「海の日」を前に、海に関する意識調査を実施しました。4回目の調査となる今年は、初の小学生親子調査も実施され、興味深い結果が明らかになりました。
調査結果によると、海への愛着度や興味関心が全体的に低下していることが判明しました。「海は大切だ」と考えている人は7割近くいる一方で、「海が好きだ」と答えた人は4割にとどまり、2022年比で8%、2019年比で13%も減少しています。
この「海離れ」の要因として、調査ではタイムパフォーマンス意識の高まりが指摘されています。現代社会では、時間の効率化を意識する人が多く、限られた時間をどのように使うか、という点で合理的な選択が求められます。その結果、海への関心が低くなってしまったのではないかと推測されます。
さらに、海へのイメージが「海水浴」や「砂浜」に偏っていることも、海離れの原因の一つと考えられます。時間や手間のかかるイメージが強いことから、海が余暇の選択肢から外れてしまっている可能性があります。
若い世代は海に期待! - 新たな海との関わり方を模索 -
一方で、調査では若い世代の海への関心の高さも明らかになりました。特に、高校生は他の世代と比べて、海が好きだ、海に行きたい、実際に海へ行ったことがあるという回答が有意に高いことがわかりました。
さらに、小学生の75%が海に行きたいと考えているという結果も出ています。子どもたちは海への強い憧れを抱いている一方で、実際に海に行けている割合は低く、親世代である20代、30代の海への意識の低さが影響している可能性も考えられます。
海との未来を考える - 行動と意識のギャップを埋めるために -
今回の調査は、海に対する意識や行動の実態を明らかにすることで、日本人と海との関わりにおける課題を浮き彫りにしました。
海離れが進む一方で、若い世代の海への関心は高いという現状を踏まえ、日本財団では、海への関心を高めるための取り組みを強化していく方針です。具体的な取り組みとしては、臨海学校のプログラムなどをはじめとした公立学校や地域との連携を促進していくことを目指しています。
海は、私たちの生活に欠かせない存在です。海との関わり方を再考し、未来の世代に豊かな海を引き継いでいくために、社会全体で意識改革を進めていく必要があります。