大樹町とSPACE COTAN、国際宇宙港の新たな協力を開始
2023年、北海道大樹町とSPACE COTAN株式会社が書面での合意に達しました。世界5大陸にある8つの宇宙港との間で、商業宇宙港における国際協力を促進する覚書(MOU)を締結し、商業宇宙産業の国際化を目指しています。この取り組みは、宇宙事業の活性化と打ち上げの頻度向上を図るものです。
覚書締結の概要
文書に署名する宇宙港のなかには、アメリカのVirginia Spaceport Authority(VSA)やPacific Spaceport Complex – Alaska、オーストラリアのSpace Centre Australia、イギリスのSaxaVord SpaceportとSutherland Spaceport、スウェーデンのSweden Space Centre、そしてペルーのStargate Peru S.A.C.が含まれます。この国際的な協力の試みは、商業宇宙港としては初めての取り組みとなります。
高頻度打上げへの対応
近年、民間企業の宇宙産業拡大が進む中、ロケットや人工衛星の打上げ需要はますます高まっています。これに対応するため、HOSPOを含む各宇宙港では、作業の効率化を追求し、互いに協力するワーキンググループも設立される予定です。この過程では、国際基準を満たした互換性の確保や運用コストの削減が目指されます。
国際宇宙会議での署名式
今後、この覚書の正式な署名を行う場として、2024年10月13日にイタリア・ミラノで開催される国際宇宙会議(IAC)でのイベントが予定されています。SPACE COTANの小田切義憲社長兼CEOが式典に参加し、国際的な連携の重要性についてのメッセージを発信することが期待されています。
宇宙サミットでの議論
さらに、10月10日に帯広市で行われる北海道宇宙サミット2024では、VSAのCEOであるRoosevelt Mercer, Jr.氏が講演予定です。小田切社長と共に、覚書の趣旨や背景について説明し、実際の宇宙産業における影響を深めることでしょう。
各宇宙港の特徴
今回、覚書を締結した宇宙港はそれぞれ独自の特徴を持っています。例えば、アメリカのPacific Spaceport Complexはロケット打ち上げのフレキシビリティを提供し、一方Virginia Spaceport Authorityは科学教育を兼ねた宇宙港運営に努めています。また、ヨーロッパ初の認可を受けたSaxaVord Spaceportは多種多様な打上げニーズに対応することができます。
地元の声
大樹町長の黒川豊氏は「今後宇宙産業が成長していく中、各国の宇宙港との連携はますます重要になる」との見解を示しています。これに続き、小田切社長も「この覚書を通じて、宇宙利用が進む中での国際的なニーズに応えていきたい」と語っています。
未来の展望
大樹町の北海道スペースポート(HOSPO)は、商業宇宙港として今後さらに多くの打上げ事業者との連携を進めていく計画です。また、地域の活性化を目指し、地方創生にも貢献する取り組みが続けられます。今後の宇宙産業の発展に向け、さらなる進展が期待されます。