日台医療イノベーション
2025-09-25 16:22:46

アジア医療イノベーションの最前線、日台連携が新たな挑戦を迎える

アジア医療イノベーションの最前線、日台連携が新たな挑戦を迎える



高齢化が進む現代社会において、各国が共通して抱える課題は、安全で効率的な治療の提供です。この問題を克服するための手法の一つとして、低侵襲手術が注目されています。特に日本は、長年にわたって蓄積した技術と知見を元にこの分野でのリーダーシップを発揮しています。

台湾を拠点とする秀傳医療グループは、1973年に設立され、以降日本の医療機関との積極的な交流を続け、先進技術を取り入れてきました。この度、BE Health東京オフィスの開設を機に、両者の協力関係がさらに強化され、日台間での臨床およびスタートアップのクロスボーダー共創がさらに進展する見込みです。

秀傳医療グループの成り立ちとその理念



秀傳医療グループは、創設以来、臨床医療の提供だけでなく、国際的な最新医療技術の導入にも力を入れてきました。2008年には、世界的な低侵襲手術トレーニングセンターであるIRCADを台湾に設立し、アジアにおける医師教育と臨床イノベーションの中心的な拠点となっています。

IRCAD Taiwanでは、医療技術を評価するスタートアップが多く、医師からのフィードバックを受けながら、国際的な企業との協業チャンスを得るなど、実践的な環境が整っています。これにより、台湾は技術革新のホットスポットとしての地位を築いています。

黄士維院長は、「父が強調していたのは、病院は利益追求のためでなく、最先端の医療技術をもたらし、患者に恩恵を与えるために存在するということです」と述べています。この理念が、IRCAD Taiwanの設立へとつながりました。

医療革新の精神と日台の絆



秀傳医療グループと日本との関係は、40年以上の歴史があります。当初、黄明和総裁が日本の大学で研修を受けたことがきっかけとなり、経皮経肝胆道ドレナージ法(PTCD)の技術を台湾に持ち帰ることができました。その結果、大規模な手術を軽減する低侵襲治療が実現されたのです。

このように、シリーズの成功事例は日台の技術協力の象徴であり、現在も多くの日本の医師がIRCAD Taiwanでの研修を希望しています。双方の医療機関の交流は日々活発に行われており、さらなる技術共創が期待されます。

BE Healthとの連携によるファンドと協業の展望



2018年に黄士維院長がBE Healthの陳彥諭氏と出会ったことが両者の協力関係を生むターニングポイントとなりました。BE Healthは、単なるベンチャーキャピタルではなく、ファンド、病院、アクセラレーターとの融合を目指している点に特長があります。このようなクロスボーダー型プラットフォームは、医療系スタートアップを支援する新たな枠組みを提供しています。

それぞれの強みを生かして、実際の臨床現場を通じたフィードバックと市場導入の加速が実現することで、優れた技術が迅速に患者の元へ届けられる仕組みが整っています。黄士維院長は、病院がイノベーションを推進する重要性を強調し、スタートアップと医師が連携することで、すべての関係者に利益をもたらすと語っています。

今後の展望とグローバルな展開



現在、秀傳医療グループとIRCAD Taiwanは、国際的なネットワークを活用し、さまざまなスタートアップとの連携を進めています。未来に向けて、BE HealthおよびIRCADの国際ネットワークを最大限に活用することで、日本の優れた医療技術をグローバル市場へ素早く展開し、さらなる成果を上げる計画です。

特に、2025年10月2日に日本で開催される「Beyond Borders: Taiwan–Japan Medtech Innovation Night」は、今回のBE Health日本オフィスの開設を示す重要なイベントとして位置付けられています。このイベントを通じて、日台の医療協力がさらに強化され、アジアから世界に向けた医療イノベーションが加速すると期待されています。

「私たちはこのエコシステムの一員であり、より多くのスタートアップが成長できる環境を整えることが重要です。最終的にその恩恵を受けるのは患者です」と黄士維院長は強調します。今後の展開に目が離せません。


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会社名
比翼加速器股份有限公司
住所
Songshan District Taipei City, 10553, TaiwanTaiwan Tech Arena No. 2, Sec. 4, Nanjing E. Rd.,
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