2017年に日本で初演され、多くの観客の心を打ったミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』が、再び帰ってくる。コロナ禍を乗り越え2020年に再演を果たした本作は、新たなキャストを迎えて2024年7月27日(土)に開幕を迎える。
開幕を約1か月後に控え、都内スタジオにて公開稽古が行われた。公開稽古では、劇中曲5曲が披露され、キャストのパフォーマンスや海外クリエイティブスタッフによる場面のレクチャーなどが公開された。
公開稽古では、以下の場面が披露された。
「♪The Stars Look Down 星たちが見ている」:ストライキが決行される中、炭鉱で働く男たちが力強く歌い、ビリーは将来の道を探し求めるように床を踏みしめる。炭鉱夫たちの熱量とビリーの繊細な感情がリンクし、それぞれの未来を暗示するオープニング場面だ。
「♪Shine 輝け、今!」:バレエレッスンに迷い込んだビリーとウィルキンソン先生が出会うシーン。ウィルキンソン先生は、どんな個性でも輝けることを歌い踊り、戸惑いながらもバレエに興味を持ち始めるビリーの姿が印象的だ。
「♪Express Yourself 自分を表現しよう」:悩みを抱えるビリーは、親友マイケルから励まされ、ふたりは友情を確かめ合うようにタップダンスを披露する。
「♪Angry Dance 怒りのダンス」:ロンドンへの夢を叶えたいビリーは、父親に反対され、激しい怒りをダンスで表現する。短い時間で感情を高め、踊るビリーの表現力は圧巻だ。
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「♪Solidarity 団結を永遠に」:ストライキ中の炭鉱夫と警官隊の対立が激化する中、ウィルキンソン先生とバレエガールズも歌い踊る。炭鉱夫とガールズがリンクするバレエシーンは、幻想的で骨太な演出が見どころだ。
公開稽古では、演出補のエド・バーンサイド氏によるレクチャーも行われた。バーンサイド氏は、ビリー役について「マラソンを走りながらハムレットを演じるのと同じくらい難しい」とコメントした。
2024年版でビリー役を務めるのは、浅田良舞、石黒瑛土、井上宇一郎、春山嘉夢一の4人。彼らは、1375人の応募者の中から選ばれ、厳しい稽古を重ねてきた。
また、お父さん役には益岡徹と鶴見辰吾がダブルキャストで出演。益岡徹は、優しさと強さを兼ね備えたキャラクターを演じ、初参加となる鶴見辰吾は、飄々としたお父さん像を構築している。
ウィルキンソン先生役には、安蘭けい、濱田めぐみがダブルキャストで出演。日本のミュージカル界を牽引するふたりが、ビリーに希望を見出すウィルキンソン先生をどのように演じるのか注目だ。
公開稽古で披露されたパフォーマンスは、どれもレベルが高く、キャストたちの熱意が伝わってきた。特に、ビリー役の4人は、それぞれ個性的なビリーを演じており、今後の活躍が期待される。
舞台は、本番と同じサイズで組まれた繊細な八百屋(傾斜がある舞台)で、俳優たちの身体にかかる負荷の大きさが感じられた。エド氏も語った通り、大人キャストもビリーたちに負けないほどのトップクラスのメンバーが揃っている。
この日の公開稽古に合わせ、ビリー役4人の出演スケジュールも発表された。2024年版の4人はどんなビリーを見せてくれるのか。大人キャストとの組み合わせでも、さまざまな化学反応が生まれそうだ。
『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』は、人生のすべてが詰まっているミュージカルだ。ビリーや家族、仲間たちの物語は、きっと観客の人生にも何かしらの影響を与えるだろう。ぜひ劇場でこの物語を体験してほしい。
『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』の公開稽古に参加し、再びこの作品の魅力に引き込まれた。約1か月後の開幕に向けて、キャストたちはすでに完成されたパフォーマンスを見せてくれたが、そこにはさらに深みを増した表現力を感じた。特に印象的だったのは、ビリー役の4人の熱演だ。それぞれ異なる個性を持つ彼らは、ビリーの複雑な内面を繊細かつパワフルに表現し、観客を魅了していた。
また、大人キャスト陣の演技も素晴らしかった。益岡徹と鶴見辰吾によるダブルキャストのお父さん役は、どちらも印象的なキャラクターで、ビリーとの関係性が作品に深みを与えていた。そして、安蘭けい、濱田めぐみのダブルキャストによるウィルキンソン先生役は、ビリーにとって希望の光となる存在として、力強くも繊細な演技を見せ、観客を感動させた。
公開稽古で披露されたダンスシーンは、どれも美しく力強く、観る者を圧倒した。特に、バレエシーンでは、炭鉱夫たちの力強さ、バレエガールズの可愛らしさ、そしてビリーの繊細な感情が絶妙に調和し、感動的な場面を作り出していた。
公開稽古を通じて、改めて『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』が、人生の喜び、悲しみ、友情、家族愛など、普遍的なテーマを描いた素晴らしい作品であることを実感した。この作品は、観客それぞれに異なる感動を与える力を持っている。ぜひ劇場で、キャストたちの熱演と美しい音楽、そして感動的なストーリーを体験してほしい。