モデルナの新たな挑戦、オミクロン株対応ワクチン「スパイクバックス」
モデルナ・ジャパン株式会社は、オミクロン株の変異株LP.8.1に対応した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「スパイクバックス®筋注シリンジ12歳以上用」を2025年9月22日に発売しました。この新しいワクチンは、従来のバイアル製剤に比べると接種時の効率が大幅に向上し、手技的なミスのリスクを減少させる魅力を持っています。
スパイクバックスの特徴
本製品は、12歳以上を対象とした0.5mLのプレフィルドシリンジ式ワクチンで、医療機関からの要求に応じて個々のニーズに合った発注が可能です。さらに、環境保護にも配慮し、ペーパーボードの包装資材を採用しています。このように、スパイクバックスは利便性と環境持続可能性を両立させています。
厚生労働省の資料によれば、2025/26シーズンに使用される新型コロナワクチンの抗原組成は、JN.1やKP.2、LP.8.1に基づいたものとされています。このスパイクバックスは、NB.1.8.1やXFGなどのJN.1系統変異株に対しても広範な中和抗体応答が確認されているため、期待が寄せられています。
新型コロナウイルスの現状と予防の重要性
新型コロナウイルスは特に夏から秋冬にかけて感染者が増える傾向があり、2024年には新型コロナウイルスによる年間死亡者数が35,865人となる見込みです。これは、インフルエンザによる年間死亡者数2,855人を大きく上回る数字です。日本感染症学会などの専門機関は、高齢者にとって新型コロナの重症化リスクがインフルエンザと同等以上であることから、ワクチン接種の重要性を強く推奨しています。特に、65歳以上の方や特定の基礎疾患を持つ60歳から64歳の方々には、ワクチン接種が求められます。
モデルナの実績と今後の展望
モデルナ・ジャパンは、これまでに9,200万回以上のスパイクバックスを日本国内で提供してきた実績があります。今後も、田辺三菱製薬とともにワクチン接種の重要性を啓発し、ワクチンを必要としている人々がアクセスしやすい環境を整えていく予定です。
また、12歳未満の小児向けワクチン「スパイクバックス®筋注シリンジ 6ヵ月~11歳用」の発売も、2025年10月14日に予定されています。これにより、さらに多くの人々が予防接種を受ける機会が得られます。
ワクチンの使用法と接種について
製品概要
- - 製品名: スパイクバックス®筋注シリンジ12歳以上用
- - 効能・効果: SARS-CoV-2による感染症の予防
- - 接種対象者: 12歳以上
- - 用法・用量: 0.5mLを筋肉内に接種
- - 接種時期: 前回接種から3ヵ月以上経過後
- - 接種回数: 過去にワクチン接種がない方は、2回目接種まで約4週間の間隔を空ける必要があります。
- - 包装: シリンジ0.5mL×1本
- - 保存方法: -20±5℃で9ヵ月
ワクチン接種は、医師の判断により他のワクチンと同時接種も可能です。スパイクバックスは、定期接種対象外の方でも任意で接種を受けることができます。
まとめ
モデルナの新型コロナウイルスワクチン「スパイクバックス」は、接種の利便性を高めつつ、現在流行しているオミクロン株へも効果が期待される重要な製品です。このワクチンを通じて、多くの人々が新型コロナウイルスからの防御を強化し、健康を守ることが期待されています。