羽田空港に新たなアートが登場!
2024年10月3日から、京急空港線の羽田空港第3ターミナル駅に新しいパブリックアートが公開されます。作品の名前は「煌めく希望、KEIKYU」。この作品は、訪れる人々を明るく迎え入れることを目的として作られました。アートの原画を担当したのは、文化勲章受章者でもある洋画家の絹谷幸二氏。彼の芸術が羽田空港を彩ります。
作品の概要
この陶板レリーフは、縦2メートル、横7.5メートルの大きさを誇る力強い作品で、訪れた人々の旅を輝かせる太陽と、それに沿って飛ぶ旅客機が印象的に描かれています。また、富士山や河津桜、東京湾のヨット、川崎大師といった京急電鉄沿線の観光名所が描かれており、訪れる人々に日本の美しさをも伝えています。
絹谷氏は「この美しい日本に来られた方々に、再びこの印象を持って帰っていただきたい」との思いを込めて作品を監修したと言います。
技術と色彩の工夫
陶板レリーフの造形は、絹谷氏の生き生きとした筆のタッチやスピード感を意識して形作られています。そのため、光の動きとエネルギーの広がりを表現するために、太陽のデザインには工夫が施されています。特に、作品には約70種類の釉薬が使用され、隣り合う部分の色合いを確認しながら調整されています。これにより、色の深みやテクスチャーが実現しました。赤、黄、オレンジといった表現が難しい色も鮮やかに仕上げられており、目を引く美しさを誇ります。
例えば、中央の飛行機の尾翼には「海鼠釉」と呼ばれる特別な釉薬が使用されており、葉山の海や山の部分には「織部釉」、厄除けとして有名な川崎大師には「灰釉」が用いられているなど、各モチーフに応じた色彩表現が施されています。
パブリックアートの意義
この作品が設置される背景には、パブリックアートが持つ重要性があります。日本交通文化協会は、陶板レリーフを通じて人々が芸術に気軽に触れることができる空間を提供し、観光資源の開発や地域の活性化に貢献することを目指しています。アートに触れることで、訪れる人々の心も和み、元気づけられます。
製作とアーティストについて
陶板レリーフの制作は、静岡県熱海市にあるクレアーレ熱海ゆがわら工房によって行われました。この工房は、釉薬の研究やステンドグラス制作なども行っており、多くのアーティストとともに創造的な活動が展開されています。
絹谷幸二氏は1943年生まれの奈良県出身で、東京藝術大学を卒業後、イタリアに留学しアフレスコ壁画の技術を学びました。彼の作品は、日本の伝統技法と現代のアプローチを融合させたものとして評価されています。
新たなアート作品「煌めく希望、KEIKYU」で、羽田空港を訪れる旅行者たちが美しい日本文化を感じることができるでしょう。