次世代のPCIe技術
2025-07-28 11:42:01

アンリツとAMD社がPCI Express 6.0の電気的性能を実証し新時代の幕開けへ

アンリツとAMD社が協力して実現したPCI Express 6.0の可能性



2023年、アンリツ株式会社とAdvanced Micro Devices, Inc.(AMD社)は、次世代のPCI Express 6.0(PCIe 6.0)に関する重要な試験を成功させました。この試験では、最大64 GT/sのデータ伝送速度を達成し、高度な電気的性能を検証することができました。特に、アンリツの高性能ビットエラーレートテスター(BERT)である「Signal Quality Analyzer-R MP1900A」を用いて実施されたこのテストは、新たな技術基準を打ち立てるものです。

PCIe 6.0の重要性と進化



PCIe 6.0は、CPUやGPU、SSDなどの内部デバイス間での通信に関する最新の規格であり、単一レーンあたり64 GT/sのデータレートを処理できるという大きな特徴を持っています。これにより、16レーン構成で最大256 GB/sの帯域幅を実現できるため、次世代のデータセンターや高性能計算(HPC)において不可欠な技術とされています。

AMD社のサーバーエンジニアリング担当コーポレートバイスプレジデントであるAmit Goel氏は、この成果について次のように語っています。「当社はアンリツと共に、最大64 GT/sのコンプライアンス・テストを安定して実証することに成功しました。この早期検証は、次世代のAMD EPYC™ CPUを搭載したプラットフォームにおける信頼性の高い高速I/Oの提供をさらに推進するものです。」

高い負荷条件でも安定した性能を



テストでは、PCIe 6.0の物理的な接続仕様である「CEM(Card Electromechanical)」の基準を超える27 dBの挿入損失を含む過酷な信号条件を設定しました。また、ストレステストとしてスペクトラム拡散クロッキング(SSC)の技術も導入し、より厳しい信号の戻り経路条件においても、レシーバーの電気的特性が規格に準拠しているかを確認しました。

アンリツの取締役常務執行役員である島岳史氏は、AMDとのパートナーシップを評価し、「待望のPCIe技術の進展に寄与することができたことを嬉しく思っています。今後も多様なニーズに応じたテスト機能の拡張と、規格団体への提案を通じて、品質評価および設計効率化に貢献してまいります」と述べました。

PCIe 6.0と未来の市場への影響



PCIe 6.0の導入は、人工知能(AI)や高速ストレージ、データ分析といった新たな分野での通信の効率化を実現します。特に、データセンターやクラウドサービスを利用する企業にとって、この新しい規格は生産性の大幅な向上に繋がるでしょう。従来の規格との互換性も保持しつつ、新たな技術に対しても柔軟に対応できることが期待されています。

用語解説

  • - スペクトラム拡散クロッキング(SSC): クロック周波数をわずかに変動させることで、電磁ノイズを広範囲に分散させ、ノイズの集中を防ぐ技術です。これは、デバイス間通信の信号品質を確保するために非常に重要です。

アンリツとAMD社の連携により、次世代のPCIe技術が進化しつつある今、業界全体が新たな変革を迎えようとしています。今後の動向に目が離せません。


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会社情報

会社名
アンリツ株式会社
住所
神奈川県厚木市恩名5-1-1
電話番号
046-223-1111

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