アストロスケール、ISSA-J1ミッションの次のステップへ
株式会社アストロスケールは、持続可能な宇宙環境の実現に向けた大規模なミッション、ISSA-J1の進捗について発表しました。今回、衛星デブリの接近および診断を行うこのプロジェクトが、フェーズIからフェーズIIに移行したことが明らかになりました。このミッションは、文部科学省の「SBIR制度」に基づく宇宙分野での技術開発の一環として進められています。
ISSA-J1(In-situ Space Situational Awareness - Japan 1)は、大型衛星デブリに接近し、その状況を観測するためのミッションです。フェーズIでは、機体の基本設計や航法センサの開発が行われていましたが、フェーズIIではより詳細な設計や衛星の組立、地上での試験準備を進める予定です。フェーズIIに対しては、最大で63.1億円の補助金が交付されることになっています。
進行中のミッションと今後の展望
2024年には、アストロスケールの商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」がデブリの周回観測を行い、実際に15メートルまで接近したり、衝突回避技術が効果的に機能しているかの確認にも成功しています。こうした実績を活かし、ISSA-J1のミッションでは、さらに高度な接近および観測技術が求められます。アストロスケールは、社会でのデブリ除去能力を向上させることで、軌道上サービスの実現を目指しています。
衛星デブリの運用が終了した場合、その情報は非常に限られています。このため、デブリの状態を把握したうえで、安全に近傍運用を行う技術の確立が重要です。このミッションが成功すれば、アストロスケールは大型デブリに対する新たなアプローチを提供できることになります。
アストロスケールのビジョン
アストロスケールは、宇宙開発の持続可能性を強く訴えています。同社は、既存デブリの除去、衛星の寿命延長、及び故障機体や物体の観測等、多岐にわたる軌道上サービスを提供しています。2021年から続くELSA-dやADRAS-Jなどのミッションを通じ、同社はRPO技術の実証を行い、業界内でのリーダーシップを確立しています。
アストロスケールは、JAXAをはじめとする国際的な機関と共同で、先駆的な宇宙ミッションに挑戦しています。今後も、日本を拠点にしながら、宇宙の持続可能性に寄与するための技術開発を進めていく予定です。また、アストロスケールの活躍は、循環型宇宙経済の実現にも寄与するものであり、今後の展開が期待されています。
詳細はアストロスケールの公式ウェブサイト(
アストロスケールウェブサイト)で確認できます。