COVID-19対応の新たな提案!感染者対応搬送車の業界初の試作
近年、COVID-19の影響で感染者の搬送手段に対する需要が急増しています。一般社団法人医療・福祉モビリティ協会は、株式会社エスティサポートと協力し、感染者対応搬送車の「標準仕様」を策定、その試作車を開発したことを発表しました。
現在の搬送体制の課題
現在、COVID-19の感染者を搬送するためのリソースは非常に逼迫しています。消防機関の救急車や保健所、民間の救急車、病院の救急車を合わせても、そのニーズに応えきれていないのが現状です。このような中、自治体や医療機関は新たな搬送手段を求めており、対応が求められています。
標準仕様の策定の理由
医療・福祉モビリティ協会は、特に自治体や保健所、医療機関が短期間に感染者対応搬送車を導入できるように、低コストかつ迅速に製造できる標準仕様の開発に思い至りました。従来、個別に製作する場合、約3か月を要していた製作期間を1ヶ月以内に短縮し、製造コストも大幅に削減しました。この施策により、自治体や医療機関は必要な時間に必要な車両を確保できるようになり、レスポンスの向上が期待されます。
新たな試作車の特徴
- - 利用車両: トヨタのミニバンである「ヴォクシー」、「ノア」、「エスクァイア」をベースにしました。
- - 福祉機能: 車椅子昇降装置をオプションで搭載し、患者の乗降性を高めています。
- - 隔壁設計: 運転席と後部座席の間には「隔壁」を設置しており、飛沫感染のリスクを低減しています。
- - 衛生管理: 床面はロンリウム加工されており、清掃や消毒が容易です。
- - 換気機能: 換気装置を搭載し、感染リスクを抑える工夫がされています。
- - 電源設備: 医療機器や検査機器を利用するための電源設備も整っています。
利用シーンと期待される効果
行政における救急業務の補完的な役割を果たし、以下のような場面で利用が想定されています。
- - 感染が疑われる人をPCR検査を行う医療機関へ搬送。
- - 陽性が判定された患者の療養先への移送。
- - 高齢者施設などでの感染発生時の搬送業務の最適化。
これにより、搬送や移送にかかる業務が効率化され、医療機関のリソースをより必要なところに振り向けることが可能になります。また、感染者を受け入れている病院からの転院もスムーズに行えるようになります。
将来への備え
厚生労働省は、感染症が周期的に流行する傾向があることを指摘しています。今回の感染者対応搬送車の開発は、単にCOVID-19対策にとどまらず、将来の感染症対策に向けた重要な一歩です。これにより医療や福祉の連携、地域包括ケアの充実にも寄与することが期待されます。
標準仕様の製品情報
- - 価格: 880,000円~(車体価格別途)。
- - 販売方法: 受注生産で、現状では月産10台の体制。
詳細な情報は、一般社団法人医療・福祉モビリティ協会にお問い合わせください。電話:03-6420-0447、メール:
[email protected]。