持続可能な漁業を目指す新たな挑戦
2023年1月13日から、パルシステム連合会が「礼文島船泊の産直・旬の真ほっけ開き」のオリジナル商品受付を開始しました。この商品には、マリン・エコラベル認証マークが表示されており、持続可能な漁業の取り組みを示しています。制作にあたったのは、北海道礼文郡の船泊漁業協同組合で、理事長は大石康雄氏です。今回の取り組みは、自然環境と資源管理を考慮した結果、実現したものです。
漁獲管理の10年の成果
船泊漁業協同組合は、2010年代にはホッケの漁獲量が最盛期の3割程度まで落ち込んでいました。これに伴い、同組合は資源管理型漁業への転換を決意しました。その結果、秋冬のホッケ産卵期には漁獲の自主規制を行ったり、未成魚がかかるのを防ぐために網目のサイズを大きくするなどの対策を取りました。こうした努力が重なり、2022年には水産エコラベル認証「MEL」を取得するに至りました。
MEL認証の意義
MEL認証は日本発の持続可能な水産品を認証する制度であり、環境や生態系の保全に取り組む漁業や養殖業が対象です。この認証は国際基準に適しており、GSSI(世界水産物持続可能性イニシアチブ)でも認められています。これにより、消費者は持続可能な漁業によって生産された商品を選択できるようになりました。
産直に向けた取り組み
今回の新商品は、船泊漁協とパルシステムとの連携から生まれました。2019年に、パルシステムは船泊漁協と北海道漁業協同組合連合会、および地元住民との間で産直提携を結びました。この提携によって、環境保全や資源管理型漁業を支援する取り組みが進められてきました。特に、礼文島という日本最北端の離島における漁業の存続は、国にとっても重要な課題です。
利用者との交流促進
パルシステムは、漁業者と利用者をつなげるための交流イベントを開催しています。たとえば、漁業者自身が関東各地で「浜の母さん料理教室」を実施し、地元の魚介を使った料理法や漁業の現状を伝える活動に取り組んでいます。2024年度のイベントも計画中で、全国の方々に産直の良さと持続可能な漁業の魅力を広げていく予定です。
全国的な水産業支援
パルシステムは2009年から水産方針を策定し、日本の魚食文化を守る活動を展開しています。2024年度には、「お魚食べよう」キャンペーンを通じて、魚食の楽しみ方や食育に関する知識の普及に努める予定です。これにより、消費者が水産業の重要性を理解し、持続可能な漁業を応援するきっかけを作ることが期待されています。
おわりに
パルシステムは、今後も全国の漁業者と協力しながら、持続可能な水産業と魚食文化の普及に努めていきます。商品やイベントを通じて、どのように食材が生産されているかを知ることは、消費者にとっても非常に効果的な食育となります。ぜひ、この新しい商品を通じて、持続可能な未来への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?