資金決済制度改革へ向けた金融審議会の初回会合の概要と今後の方向性

資金決済制度改革への第一歩



令和6年9月25日、金融庁で開催された金融審議会の「資金決済制度等に関するワーキング・グループ」(WG)の第1回会合が行われました。この会合では、近年急速に進化する金融サービスに対応した規制の見直しがテーマです。また、ワーキンググループのメンバーには、様々な専門家や関係者が選ばれており、幅広い観点からの議論が期待されています。

議論の背景と目的



金融技術の革新が進む中、特にフィンテック関連サービスの急速な普及に伴い、資金送金や決済サービス利用者の保護が重要な課題となっています。資金決済制度の見直しは、これに対処するための施策であり、WG設置はその第1歩と言えるでしょう。座長には、上智大学の森下教授が就任し、初回会合の進行を担当しました。

会合では、参加者が目的や背景を共有し、今後の議論に向けた意見や質問が交わされました。特に利用者保護や新たな金融サービスに対して、どのような規制や制度が必要だと考えられているかが焦点となります。

会合の重要なテーマ



1. 資金移動業の運営と破綻時の資金還付手続
資金移動業者破綻時の資金還付には170日程度が必要である現状を受け、より迅速な還付制度の検討が行われます。銀行や信託会社から直接返還する仕組みも考慮されており、利用者への影響が注視されています。

2. クロスボーダー収納代行サービスの規制
クロスボーダー取引の増加に対し、新たなマネロン(資金洗浄)リスクが指摘されています。規制の整備が必要である一方、実績のあるサービスが幅広く提供されている現状も考慮する必要があります。

3. 暗号資産やステーブルコインの取り扱い
暗号資産に関する問題を受け、資産保全の観点から、事業者破綻時の国内資産保有命令等の仕組みについても検討するとしています。特にステーブルコインに関しては、裏付け資産の柔軟な運用についての意見も集まっています。

参加者の意見と提言



各委員からは、制度の見直しに対する様々な意見が寄せられました。特に、利用者保護の視点や新規サービスに対する迅速かつ柔軟な対応が求められています。また、実態把握を徹底し、利用者に信頼される金融システム作りが必要だとの認識が広がっています。

今後の展望



金融庁は、WGでの議論を踏まえ、今後具体的な制度改正案を検討する予定です。次回以降の会合でも、委員から寄せられた意見を基に、さらに詳細な議論を行い、利用者保護とイノベーション両立を目指していくことが期待されています。

このワーキング・グループの活動は、フィンテックの進化に伴う規制の適正化と、利用者安全の確保にとって重要なステップです。今後の議論の行方に注目し、また、産業界とも密接に連携していく必要があるでしょう。

関連リンク

サードペディア百科事典: 金融庁 フィンテック 資金決済制度

Wiki3: 金融庁 フィンテック 資金決済制度

トピックス(経済)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。