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明石仁十病院が照明研究を国際医学誌に発表

2025年7月14日、明石仁十病院の副院長である沖波武先生が執筆した論文「Circadian Lighting Was Associated with a Reduction in the Number of Hospitalized Patients Experiencing Falls：A Retrospective Observational Study」が、スイスの国際オープンアクセス学術誌『Healthcare』に掲載されました。この研究は、入院患者における重大なリスクである転倒の予防に向けた新しい照明環境の有効性を示しています。

研究の背景と目的

本研究は、兵庫県明石市の明石仁十病院と東京都の山田医療照明株式会社との共同作業として実施されました。入院患者の転倒は、特にご高齢の方にとって大きな問題で、研究チームは概日リズムに基づいた照明（概日照明）が、患者の転倒をどのように防げるかに重点を置きました。

研究の方法

研究は、明石仁十病院の一般病棟および回復期リハビリテーション病棟にて行われ、病棟の移転改築に伴い導入された概日照明を介入群として、旧来の蛍光灯照明下に入院した対照群と比較しました。介入群には216名、対照群には200名の患者が含まれており、転倒を経験した患者の割合を後方視的に観察しました。

概日照明の特徴

概日照明は、我々の体内時計を調整する目的で設計された特殊な照明です。朝から昼にかけては高い色温度の爽快な明かりが、夕方から夜にかけてはリラックスを促す穏やかな光に変化していきます。この特徴的な照明環境を導入することで、入院患者の安心感を高め、転倒のリスクを大幅に減少させることを目指しました。

研究の成果

調査の結果、概日照明を導入した病棟では転倒を経験した患者の割合が15.0%から7.4%にまで減少しました。このことは、概日照明が患者の体内時計を安定させることで、転倒というリスクを軽減する可能性を示しています。特に転倒予防策が困難なご高齢者にとって、有益な成果と言えるでしょう。

今後の展望

本研究は、光環境の改善が医療現場での患者の安全をどれほど高めうるかを示しました。今後は、概日照明が入院患者の転倒予防に及ぼすメカニズムをさらなる研究が期待されます。照明環境の整備は、福祉や医療の現場でもますます重要なテーマとなるでしょう。

論文の詳細情報

• - タイトル: Circadian Lighting Was Associated with a Reduction in the Number of Hospitalized Patients Experiencing Falls：A Retrospective Observational Study
• - 掲載誌: Healthcare (MDPI)
• - 掲載日: 2025年7月14日
• - URL: 論文はこちら

医療法人公仁会 明石仁十病院について

明石仁十病院は、質の高い医療介護サービスを地域に提供することを理念としており、内科や泌尿器科、リハビリテーション科など多岐にわたる診療科目を有しています。病床数は合計149床で、様々な患者さんに対応しています。

山田医療照明会社の役割

1927年に創業された山田医療照明は、医療現場向けの照明を専門に製造しています。「正しく照らすやさしい光」をテーマに、現場のニーズに応える明るさと快適さの両立を追求しています。このような業界のパートナーシップは、明石仁十病院の新しいアプローチを支える重要な要素となっています。

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