イベントの舞台裏
2008-06-10 18:54:21
圧倒的集中力で成功を収めたイベントの舞台裏:PIOLINKとインフォサイエンスの挑戦
全国民注目の一大イベントを支えた技術
2023年に開催された全国民注目のイベントでは、驚くべき事実が明らかになりました。多くの人々がその瞬間を見守り、テレビ中継やリアルタイム速報サイトにはアクセスが集中しました。この仕掛けは、『PIOLINK Application Switch』を導入したインフォサイエンス株式会社によって実現されたのです。
プロジェクトの立ち上げ
2007年10月、インフォサイエンス株式会社に新たな業務依頼が舞い込みました。それは、翌年の2月に行われる大規模イベントのサイト運営に関するもので、トップアスリートと一般参加者が一堂に会するこのイベントには、当然、多数のトラフィックが想定されました。当初、同社はその負荷をどのように管理するか不安を抱えていました。
「負荷分散装置(ロードバランサ)を使わずに、サーバだけでラウンドロビンという手法も考えましたが、それでは対応能力が不足し、ユーザーが繋がらない状況が起きてしまうリスクが高かったです。最初から負荷分散装置を導入することを決めていました」と、インフォサイエンスの関係者は語ります。
新たなビジネスチャンスに目を向けて
当初の計画は1日限りのイベントに合わせて、ロードバランサは1台で対応しようとしていました。しかし、同社はこれを新しいビジネスチャンスと捉え、冗長化のために2台の導入を決定しました。
「瞬間的な高負荷に対処できるサービスに対応すれば、テレビキャンペーンなどでも新たな展開が可能になる」と彼らは考えたのです。この計画の結果、無停止のシステムが構築され、万が一1台が落ちてももう1台がカバーする体制が整いました。
機器の選定と導入
アクセス数が予想される倍に設定したインフォサイエンス社は、ロードバランサの選定においていくつかのメーカーを比較しました。その結果選ばれたのが、PIOLINKのPAS5016でした。この機種は設定が簡単で、使いやすく、高機能かつ低価格という特長を持っています。
「設定が難しくないという点が魅力でした。社員全員がその設定を扱えることは非常に重要です。我々は際立った性能を求めていたのではなく、実際の業務において使いやすい製品が必要でした」と関係者は続けました。
システムの詳細
サーバは13台を『PAS 5016』でL4負荷分散し、それらがダウンした場合や接続数が設定を超えた場合は、2台のソーリーサーバへトラフィックを振り分けるように設定しました。また、回線負荷分散にはUSENの3回線とBフレッツの8回線を用いています。アクセスの振り分けはDNSラウンドロビンで行い、さらに『PAS 5016』のGWLB機能を利用して、リクエストと同じ回線に応答を送信します。最後に、HA(冗長構成)では、アクティブ側のロードバランサがダウンした場合には、スタンバイ側に切り替える設定が整えられました。
イベント当日の成功
約1カ月のテストとシミュレーションを経た後、迎えたイベント当日は予想通りのアクセスが集中しましたが、システムは最後まで安定して稼働しました。「Not Found」という文字が表示されることはなく、アクセス数は予想の3倍にも及んだことが後に判明しました。
このプロジェクトは、インフォサイエンス株式会社にとって初めての挑戦でしたが、大成功を収め、「PAS5016」の安定性が実証された貴重な事例となりました。同社の技術者とPIOLINKが協力し合ったことで、ある意味で新たな技術の可能性を示したのです。
会社情報
- 会社名
-
株式会社パイオリンク
- 住所
- 東京都新宿区新宿5-8-8カールツァイス新宿別館3F
- 電話番号
-
03-5363-9100