水道機工が設立した緊急災害水支援チーム「EWAT」とは
2024年、東京に本社を構える水道機工株式会社は創業100周年を迎え、その節目に緊急災害水支援チーム「EWAT(イーワット)」を設立しました。このチームは、災害時の水供給を確保することを目的としています。水道機工は、上下水道施設や環境保全・衛生施設の設計、施工、管理を主な事業としており、日本全体の水道水の57%に相当する設備を提供してきました。
設立の背景
水道機工は、過去の災害においても支援活動を行っています。特に能登半島地震や東日本大震災では、断水の影響を受けた地域への支援を行ってきました。これにより、災害時の水供給の重要性が再認識されています。今回の「EWAT」の設立は、こうした経験を踏まえてのものです。120年以上にわたる水道業界での実績を背景に、災害時でも迅速に水を供給できる体制を整えることが目指されました。
EWATの活動内容
「EWAT」は、災害時の断水被害対策や緊急飲料水確保を目的に据え、さまざまな支援活動を計画しています。当社の専門スタッフが持つ水供給に関する知見を生かし、独自に開発した非常災害用造水装置を用いて、自治体と連携し支援を行います。
災害時の水供給の重要性
災害時における水供給は、単に飲料水の確保だけでなく、生活に必要不可欠な水を利用するためにも非常に重要です。特に、断水が続く場合には、入浴や洗濯、トイレの使用に影響が出るため、迅速な対策が求められます。東京都の報告によると、災害時の復旧には最大17日かかることが想定されていますが、早期の支援がなされなければ、生活への影響は計り知れません。
EWATの組織と体制
「EWAT」の構成は、水処理事業本部長を責任者とし、工事部長が隊長として指揮を執ります。5つの部署からなる体制により、迅速な支援を可能にしています。各部署から適切なスタッフが選出され、専門知識を活かして各地への派遣が行われます。
特殊な造水装置
「EWAT」の活動においては、独自開発の非常災害用造水装置「マクセス・セイフティ」を使用します。この装置は河川水やプールの水から飲用水を生成することができ、非常時の生活を支える力を持っています。さらに、この装置は7台が専用機材として常備されるため、迅速な支援体制も整っています。
今後の計画
「EWAT」はの長期的な目標として、自治体との協力関係の構築を進めています。地域に必要な支援を的確に届けるため、広報活動を強化し、目に見える形で存在感を示すことが計画されています。また、得たノウハウを他社へも共有し、業界全体としての水道支援体制を整えることを目指しています。
最後に
「EWAT」の設立は、水道機工株式会社の新たな試みであり、災害時における水供給の重要性を深く認識した上での行動です。日本は自然災害の多い国であり、今後も安心して水を利用できる環境を技術と製品で実現することが求められています。水道機工は、その使命を胸に、新たな支援活動を進めてまいります。