富士通とAWSの新たな戦略的協業
2023年、富士通とアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が新たな戦略的協業契約を結び、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速することを発表しました。この取り組みは、これまでのモビリティ、金融、小売分野にとどまらず、全業種に拡大されるもので、持続可能な社会の実現に向けた姿勢が鮮明になっています。
背景と目的
国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)の達成が2023年に迫る中、富士通は「Fujitsu Uvance」というブランドのもとで、顧客のビジネス成長と社会的課題の解決を目指しています。この取り組みでは、長年培ってきたテクノロジーと業種の専門知識を融合させ、業種間で分断されがちなプロセスやデータを統合することが焦点となります。
具体的には、レガシーシステムを刷新し、クラウド技術を駆使して顧客の要求に応じた最適化を図ることで、変革を促していくことが期待されています。
協業の具体的な施策
この新たな協業の一環として、次のような施策が行われます:
1.
クラウドサービスへの移行支援の強化
富士通はAWSのクラウド環境に顧客の基幹システムを移行するための支援を強化します。これにより、システムの柔軟性と高品質を持ったインフラが構築され、顧客はよりスムーズにクラウドを活用できるようになります。
2.
「Fujitsu Uvance」とAWSの連携
「Fujitsu Uvance」の各種オファリングがAWSのクラウドサービスと連携し、持続可能な社会の実現に向けた付加価値の向上を図ります。この新たな連携には、データドリブン戦略の支援が含まれ、AIサービスとの連携にも焦点が当てられています。
3.
AWS認定資格の育成
富士通は自社のエンジニアのAWS認定資格を拡大し、より多くのプロフェッショナルを育成することで、クラウドサービスを利用したシステム開発を加速します。この取り組みは、過去3年間の受注実績を倍増させることを目指しています。
富士通とAWSの役割
富士通は、総合的な業種知識と開発のノウハウを活かし、全業種の顧客へのアプローチを徹底します。これに対し、AWSはソリューションアーキテクトによる技術支援を強化し、最新サービスを活用したクラウド環境の設計や開発をサポートします。
コメント
富士通の執行役員副社長、高橋美波氏は「全業種に拡大した協業により、AWSと共に業種を超えたデジタルトランスフォーメーションを推進してまいります」とコメントしています。一方、AWSアジア太平洋・日本バイスプレジデントのハイミ・バレス氏も「幅広い業界への支援を強化し、共に重要課題に取り組んでいくことを楽しみにしています」と話しています。
この協業の一環として、12月2日からアメリカ・ラスベガスで開催される「AWS re:Invent 2024」にて、富士通のブースでこの新たな取り組みが紹介される予定です。持続可能な未来に向けたこの大きな一歩は、産業界全体にインパクトを与えることでしょう。