東証が発刊した新たなETF解説本『ETFの常識』
東京証券取引所(以下「東証」)が、個人投資家に向けた新たなリソースを提供するための総合解説本『ETFの常識』を発刊しました。この本は、ETF(上場投資信託)の基本的な知識から最新の市場情報までを網羅しており、資産形成の一環としてETFを活用する重要性を広めることを目的としています。
あらましと目的
近年、資産形成に対する関心が高まってきましたが、ETFについての理解は依然として一部に留まっています。東証は、証券各社の協力を得て実施したアンケート調査の結果をもとに、ETFの理解不足が多くの個人投資家にあることを明らかにしました。この調査には9,901件の有効回答があり、その結果は興味深い内容でした。未保有層の約60%が商品性を知らず、その一因は情報不足であることが判明しました。
これを受けて、東証は「ETFの常識」を発刊する決定を下しました。これにより、ETFの基本知識を習得したいと考えている投資家に対し、十分な解説を提供することが求められています。
アンケート調査の結果
調査の結果、ETF未保有の投資家からは、分かりにくい点や情報が不足している点に対する不満が挙がりました。また、ETFに関する知識を得たきっかけとして、ウェブ媒体や雑誌・書籍が重要な役割を果たしているとの回答もありました。
一方で、ETFを保有している層では、約40%の投資家が4銘柄以上を保有していますが、マーケットメイク制度の認知度は前回調査と比べて10%程度低下しています。これに対する市場への要望としては、取引板の厚みを増やしてほしいとの声が多く、投資家のニーズが伺えました。
『ETFの常識』の内容
「ETFの常識」は、231ページにわたって構成されています。各章は、ETFの特徴や種類、活用法、リスクについて詳しく解説されており、特に初学者にもわかりやすい内容となっています。具体的には、以下のような目次で構成されています:
1. ETFの特徴
2. ETFの種類
3. ETFの活用法
4. ETFの仕組み
5. 上場による品質の担保
6. ETFの選び方・情報収集の方法
7. ETFの資料
8. ETFのリスク
9. ETNの特徴・リスク
10. インサイダー取引とETF
この本の一つの特長は、初めてETFに触れる人が1章から3章を読むことで東証ETFの全体像を理解できる点です。また、用語集や索引が充実しているため、特定の用語について知りたい場合は辞書としても利用することができます。
購入情報と配布について
本書は、Amazonなどで200円(税抜)で購入可能です。さらには、様々なイベントでの配布も計画されています。個人投資家だけでなく、金融サービスを提供する方々や機関投資家にも役立つ内容で、広く活用されることを目指しています。
このように、『ETFの常識』は ETFに対する理解を深めるだけでなく、より多くの投資家が資産形成の手段としてETFを取り入れる手助けをすることを目指しています。興味のある方は、ぜひ手にとってみてください。