NOSTER & Science Microbiome Prize:未来の医療を拓く若手研究者たち
NOSTER株式会社と、世界的に権威のある学術誌Scienceを発行する米国科学振興協会(AAAS)が共同で設立した「NOSTER & Science Microbiome Prize」。この賞は、腸内細菌叢(Microbiome)研究の進歩に大きく貢献する若手研究者を支援することを目的としています。2024年10月10日と11日には、シンポジウムと第5回授賞式が盛大に開催されました。
10月10日、NOSTER本社にて行われたシンポジウムでは、今年の受賞者たちがパネリストとして登壇。腸内細菌叢と免疫細胞の複雑な相互作用や、今後の医療における可能性について活発な議論が交わされました。最先端の研究成果や未来への展望が語られ、参加者たちは熱心に耳を傾けていました。
10月11日には、パークハイアット京都で授賞式が開催されました。 厳正な審査の結果、2024年度のグランプリはスタンフォード大学(現ハーバード大学)の永島一樹博士に輝きました。永島博士は、腸内細菌がT細胞に与える影響を特定する方法を開発したことが高く評価されました。これまでの定説を覆す、画期的な発見です。
また、Lina Yao博士とBrittany Needham博士がそれぞれ入賞を果たしました。Yao博士は炎症性腸疾患や自己免疫疾患の治療法開発に挑み、Needham博士は腸内細菌の代謝物が脳機能に与える影響を研究しています。受賞者3名とも、革新的な研究で世界の医療に貢献する存在として期待されています。
授賞式には、NOSTER株式会社代表取締役CEOの北尾浩平氏をはじめ、Science誌の出版者であるBill Moran氏、編集者のCaroline Ash氏、日本の著名な研究者たちも多数出席。受賞者たちへ祝福の言葉を贈り、今後の活躍に期待を寄せました。
Microbiome研究の重要性
近年、Microbiome研究は目覚ましい進歩を遂げています。癌や免疫系疾患、消化器疾患など、様々な疾患と腸内細菌叢の関連性が解明されつつあり、メタボローム解析技術の発展により、腸内細菌が産生する代謝物が疾患の原因となる可能性も示唆されています。
NOSTER株式会社は、今後も本賞を通して、若手科学者を継続的に支援し、Microbiome研究の発展と、革新的な治療法の開発に貢献していくことを表明しています。
受賞者たちの研究概要
永島一樹博士(グランプリ): 腸内細菌がT細胞に与える影響を特定する画期的な方法を開発。T細胞が複数の菌を認識し反応することを明らかにしました。
Lina Yao博士(入賞): 炎症性腸疾患や自己免疫疾患の治療法開発を目指し、腸内細菌が産生する胆汁酸と免疫細胞の相互作用を研究しています。
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Brittany Needham博士(入賞): 腸内細菌が産生する4EPSという物質に着目し、腸内細菌の代謝物が自閉症スペクトラムの子供たちの血漿中に多く存在することを発見。腸と脳の機能に関する研究を進めています。
今後の展望
NOSTER & Science Microbiome Prizeは、今後とも世界中の若手研究者を支援し、腸内細菌叢研究の進歩を加速させる重要な役割を担っていくことでしょう。この賞が、未来の医療を拓く新たな発見につながることを期待しています。
2025年度の応募受付は2024年10月15日から2025年2月14日まで。M.D.、Ph.D.、M.D./Ph.D.を10年以内に取得した研究者であれば、国籍を問わず応募可能です。