船橋市の学生に向けた新しい性の健康リーフレット
千葉県船橋市で活動を展開している認定NPO法人JASH(ジャッシュ)は、学生向けの性の健康リーフレット『じぶんってなんだろう?』を作成しました。このリーフレットは、船橋市市民協働課の協力のもと、地元の中学校と高等学校に配布される予定です。JASHは、性の健康を啓発する活動を通じて、学生たちに自身のアイデンティティを考える機会を提供しています。
性の健康と自己認識の重要性
最近では、LGBTQや性的マイノリティに関する言葉が一般的になりつつあり、学校現場でもその認識が高まっています。しかし、性的マイノリティの人たちが直面する現実には、無理解や偏見に起因するいじめ、自殺率の上昇といった深刻な問題もあります。JASHは、こうした課題に対処すべく、性の健康に関する正しい知識を広める講演会や交流会の開催を行っています。リーフレットの作成は、その活動の一環として位置づけられています。
「じぶんってなんだろう?」という問いかけは、特に思春期の中学生や高校生にとって重要なテーマです。自身の性自認や性的指向について考えることは、個々が健全に成長する上で欠かせません。このリーフレットは、学生たちが自らのセクシュアリティや性の健康、人権について理解を深めるきっかけとなることを目指しています。
ユースメンバーの視点を反映したリーフレット
このリーフレットは、JASHのユースメンバーによって企画され、同世代の視点を大切にしたメッセージが盛り込まれています。特に、Z世代が直面するキーワードや社会的なテーマに着目し、それを視覚的に表現することで、学生が親しみやすく、理解しやすい内容となっています。リーフレットには、性の健康に関する情報を得たり、相談したりする際の適切な窓口も紹介されています。
リーフレットは、単に若者向けにデザインされているだけでなく、大人たちに対する啓発の役割も意識されています。特に、従来の偏見に基づくバイアスが多くの大人の心にも存在するため、このようなリーフレットを通じて意識を変えていくことが求められています。
リーフレットの配布と今後の展望
JASHは、2024年度には船橋市内のすべての高等学校にリーフレットを配布し、教職員からの意見やアイデアを募る予定です。さらに2025年度には、全中学校と高等学校の生徒に配布する計画です。このような取り組みにより、船橋市は「個性や価値観を尊重し、自分らしい生き方を実現できるまち」を目指していることを強調しています。
JASHについて
認定NPO法人JASHは、2013年に設立された団体で、性の健康の推進を目的に活動しています。性的マイノリティに関する問題だけでなく、性そのものについての健全な理解を広めることに重点を置いています。さまざまな交流会や講演会を通じて、性に関する偏見をなくし、「性の健康」を一人ひとりの人生の「プレジャー(快楽、喜び)」としてとらえることを目指しています。
性の健康に関するリーフレット『じぶんってなんだろう?』は、未来を担う学生たちが自分自身を大切にする社会の実現に向けた一歩として、多くの人々に広まることが期待されています。