加賀市、デジタルID「PASS」に顔認証解錠機能を追加
最近、石川県の加賀市がデジタルID「PASS」に、災害時にも使用できる顔認証による解錠機能を追加しました。この新機能は、ELEMENTSグループの株式会社Liquidが提供したもので、スマートフォンや物理的な鍵を必要とせず、ただ顔をかざすだけでドアを開けることができる仕組みとなっています。
顔認証の利便性と安全性
この機能は、平時の入館手続きから災害時の避難所や備蓄倉庫へのアクセスまで、多岐にわたる状況での活用が期待されています。特に、加賀市イノベーションセンターでは、入館手続きの時間が従来の約80%短縮され、1分からわずか10秒にまで短縮されることが実現しました。
このデジタルID「PASS」は、氏名や住所、生年月日など、個人に関する情報を一元管理できるスマートフォンアプリです。これにより、本人確認の際に必要な証明書の提示を不要にし、簡単に認証が可能になります。デジタル庁の調査によると、高齢者層の多くがデジタル化についていけていない現状があり、この取り組みは特に重要です。デジタルIDを使用することで、誰でも簡単にアクセスできる仕組みを提供することが求められています。
高齢者に優しい仕組み
加賀市イノベーションセンターは、高齢者を含む多世代が訪れる施設であり、そのため受付や入退室のしやすさが求められていました。顔認証による解錠は、従来の鍵やパスコードに代わり、視覚的な認証を通じて誰でも安心して利用できる環境を整えています。顔情報は「PASS」アプリに登録され、地元の公共施設でも広く活用されることが想定されます。
導入によるメリット
本機能を導入することにより、大きく改善される点は以下の通りです:
- - 簡単な認証プロセス:顔をかざすだけで認証が完了するため、老若男女問わず誰でも利用可能。
- - スマートフォンを持たない人への対応:家族のアカウントを介して利用でき、公民館などの施設に設置された端末で登録も可能です。
- - セキュリティの向上:本人確認が法令に沿った形で実施され、不正利用のリスクを回避する効果があります。
災害時の対応
災害時には、公共施設へのアクセスが重要です。顔認証機能により、迅速な入館が可能になり、避難所や備蓄倉庫へのアクセスをスムーズに行うことができます。また、一般的な鍵の紛失や複製のリスクもないため、安全性が高まります。
自動開閉の対応
このデジタルID機能は、また自動開閉にも対応可能で、利用時間に応じたスケジュール管理を行うことも可能です。すでに設置されているドアに、スマートロックとカメラ付きの端末を設置するだけで導入ができるため、手軽に始められます。
まとめ
加賀市のデジタルID「PASS」は、地域のデジタル化を推進するだけでなく、高齢者を含む多様な世代に向けたユーザーフレンドリーな仕組みを提供する画期的な取り組みです。この取り組みにより、デジタル社会においても”誰一人取り残されない”という理念が実現されることを期待しています。