新分離技術の発表
2022-08-30 10:00:03

ニコチンアミドモノヌクレオチイドの分離成功がもたらす新たな可能性

ニコチンアミドモノヌクレオチドの分離成功



近年、老化やその関連疾患に対する研究が急増しています。この流れの中で、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)に対する関心が高まっており、健康食品やサプリメントとしても広く利用されています。最近、ナカライテスクが開発した新しいHPLC技術が、これまで分離が難しかったニコチンアミド類の一斉分離に成功しました。さまざまな疾患におけるサーチュインの活性化を通じ、ミトコンドリアのエネルギー生産やテロメアの保護に寄与することが期待されています。

ニコチンアミド類とは



ニコチンアミドは補酵素として広く知られ、さまざまな生理活性に関与しています。特に、糖尿病、認知症、がんなどの老化に関連した疾患において、その役割が注目されています。研究が進む中で、サーチュインというタンパク質を活性化することで、これらの疾患の予防や治療に繋がる可能性があるとされています。

しかし、これまでニコチンアミド類の分析は難しく、親水性が高いため、逆相HPLCの一般的なC18カラムでは十分な分離ができないという課題が存在しました。そこで、ナカライテスクが開発したCOSMOSIL® PBrカラムが登場しました。

COSMOSIL® PBrカラムの特性



COSMOSILは、様々な固定相カラムを取り揃えたHPLC用カラムのブランドで、特にこのPBrカラムは、親水性化合物の分離が容易です。これにより、NMNを含む11種類のニコチンアミド代謝物を効果的に分離する技術が確立されたのです。具体的には、PBrカラムを用いることで、従来のC18カラムでは困難だったベースライン分離を実現し、不純物由来のピークからも分離することに成功しました。

これにより、NMNやその代謝物の検出がこれまで以上に容易になり、研究者たちは新たなデータを基に老化抑制や抗老化に関する研究をより進めることができるようになりました。

今後の展望



今回の分離技術の確立により、ニコチンアミド類の分析が特に容易になることが期待されています。これまで分離が難しいとされていた成分が扱いやすくなることで、さらに多くの研究が進むでしょう。特に、老化やがんに関連する研究が深化することで、新しい治療法や健康食品の開発に繋がる可能性があります。

ナカライテスクの挑戦



ナカライテスクは1846年に創業し、長い歴史の中で科学技術の発展に寄与してきました。彼らはリサーチケミカルやファインケミカル、関連機器・機材の提供を通じて、研究者や技術者の支援を行っており、国内最大級の試薬・機材掲載数を誇るオンラインカタログ「e-Nacalai Search Version」を展開しています。今後も、科学の進歩と共にさらなる革新を期待したいと思います。

会社情報

会社名
ナカライテスク株式会社
住所
京都市中京区二条通烏丸西入東玉屋町498番地
電話番号
075-211-2516

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