STマイクロエレクトロニクスの省電力への挑戦
STマイクロエレクトロニクス(ST)は、セット・トップ・ボックス(STB)の環境への影響を低減する新たな取り組みを発表しました。これにより、業界全体でのエネルギー効率の向上が期待されます。
エネルギー効率向上のための新プログラム
STは、エネルギー節減に特化したプログラムを世界中で展開し、全ての電化製品、とりわけSTBの性能を総消費電力を基準に評価する業界標準のサポートを行っています。これにより、STBメーカーは「Energy Star」といった独自の認定マークを取得し、消費者に対して優れたエネルギー効率をアピールすることができます。これが製品の差別化を促進し、消費者が電気代の節約を感じる機会も増えます。
総所有コストの視点
これまでのSTB市場では、主に機能や購入価格が消費者にとっての判断材料となっていました。しかしSTは今後、消費者が製品の価格を総所有コストとして捉えるようになると見込んでいます。総所有コストとは、初期購入価格に加え、運用コストや廃棄時のコストも含まれます。この観点から、STはエネルギー消費を無駄にしないことを重視し、パワー・マネージメント機能を強化しています。これにより、STB内部の各要素のエネルギー消費をリアルタイムでモニタリングし、必要に応じて調整することが実現可能となります。
高度な機能と省電力技術
STの上級副社長であるPhilippe Lambinet氏は、「機能を犠牲にすることなく、消費電力を抑える技術を追求する」と述べています。具体的には、最新の1チップ HDデコーダであるSTi7105、STi7111、STi7141には、消費電力を多角的に制御する「STPOWER」というソフトウェアドライバが含まれています。これにより、アプリケーションごとに特化したスタンバイモードの設定が可能となり、消費者の省電力ニーズに応えることができます。
環境意識の高まりと技術革新
さらに、STは55nmプロセス技術を活用し、省電力効果を最大限に引き出すための設計手法を開発しています。この技術を採用することで、最大約10%の消費電力の削減を達成。これにより、STのSTBプラットフォームは「Energy Star」のTier-2性能を満たすと自信を持っています。
STマイクロエレクトロニクスのこの取り組みは、ただの技術革新に留まらず、持続可能な社会を目指す重要な一歩と言えるでしょう。今後、消費者が省電力の重要性を認識し、製品選びにおいて環境負荷軽減を考慮する動きが加速することが期待されます。
詳しくはプレスリリースもご参照ください。
STマイクロエレクトロニクスプレスリリース
*「Energy Star」についてはこちらをご覧ください:
Energy Starの詳細