出雲縁結び空港に誕生した新たな憩いの場
島根県の出雲縁結び空港に、特別なカームダウンスペース「和雲(なごも)」が設置されました。この取り組みは、ナカバヤシ株式会社が自社ブランド「N-Smart」の調光フィルムを提供して実現したもので、障害を持つ方々に配慮したスペースとなっています。
「和雲」とは?
「和雲」とは、出雲の自然や文化を反映したデザインと、地元の木材を利用して作られたカームダウンスペースです。このスペースは特に感覚過敏を強く感じやすい方々が利用できるように設計されています。外部からの光や音を遮断することで、訪れる人がリラックスできる環境を提供します。
カームダウンスペース普及の背景
近年、公共施設での障害者対応が求められる中で、心を落ち着かせるためのスペースが不足しているという問題があります。ナカバヤシ株式会社は、「生命関連産業のリーディングカンパニー」を目指して、社会的な課題解決にも取り組んできました。2025年の大阪・関西万博開催に向けた交通のバリアフリー施策の一環として、出雲市、出雲工業高校、島根建具組合と協力し、このプロジェクトが進められました。
デザインと機能性
デザインに関しては、出雲工業高校の学生たちが中心となり、地域特性を活かしたアイデアを取り入れました。例えば、出雲の象徴である神話や伝説を反映したアートが施されており、使用する際に安心感を抱けるような工夫がされています。さらに、ナカバヤシの「N-Smart」調光フィルムは、スイッチを使って透過・非透過を切り替えることができるため、使用状況に応じてプライバシーを確保しつつ開放感を得られるのが特徴です。
独自の流通構造
今回導入された「N-Smart」は、特別に設計された変圧器により、モバイルバッテリーでも通電が可能です。これにより、空港だけでなく、教育施設やオフィス、イベント会場など、様々な場所での活用が期待されています。公的な空間での実施を通じて、より多くの人々が安心できる環境作りに貢献することが目標です。
今後の展望
ナカバヤシ株式会社は、今後もカームダウンスペースの施策を推進し、障害を持つ方々を含むすべての人が安心して過ごせる社会の実現に取り組んでいく意向を示しています。「和雲」は、出雲縁結び空港の2階に位置し、2024年12月11日からの利用が開始予定です。
障害を持つ方々にとって、心を落ち着かせる場所が提供されることは大変重要です。「和雲」は、ただの空間ではなく、全ての人にとって快適で安心できる場所としての役割を果たすでしょう。社会における意識の変化と共に、このような取り組みが広がっていくことを期待します。