言語の未来を考える新刊
現在、世界中の言語の約40%が消滅の危機に直面しています。この問題を深く掘り下げた新刊、『変わりゆく言語ことばと認識の関係を科学する』が7月28日に発売されます。本書は、日本経済新聞社グループの出版社、日経サイエンスから発行されるもので、言語が持つ重要性とその変化を多角的に捉えています。
言語と人間の関係
言語の存在は人間の認識や思考に深く結びついています。人間は高度に発達した言語を持つ唯一の動物であり、言語がどのように進化し、人間の生活に影響を与えてきたのかを理解することは重要です。本書では、人類学や遺伝学、心理言語学を通じて言語の獲得過程に迫ります。特に、チンパンジーと分化したヒトがどのように言語を発展させてきたのかの探究は、私たちの知識を広げる貴重な視点となっています。
言語の多様性とその危機
現在、全世界には7000以上の言語が存在すると言われていますが、そのうちの40%が絶滅の危機にあります。言語の消滅は文化の多様性にどのような影響を与えるのでしょうか。本書では、先住民族の言語が文化の形成や伝承にどのように関わっているかをフィールドワークを通じて明らかにします。さらに、言語の多様性が失われれば、私たちの世界観も影響を受ける可能性がある点についても考察していきます。
本書の内容概要
本書は以下のような章構成になっています:
Chapter1 言語の誕生
- - 高度な言語がどのように誕生したのかを検証します。特に赤ちゃんの言語能力や、チョムスキー理論を巡る新たな視点を紹介します。
Chapter2 言語の多様性
- - 言語の多様性を探求し、口笛言語や印欧語族の起源についての議論を展開します。
Chapter3 言語と文化
- - 言語が思考に与える影響や、文化的側面に焦点を当てた実験を紹介します。
Chapter4 言語の危機
- - 絶滅の危機に瀕する言語について考察し、最後の話者たちの経験を掘り下げます。
Chapter5 テクノロジーと言語
- - AIやSNSが言語に与える影響について、新しい視点を提供します。
本書は、言語の消滅が私たちの認識と文化にどのように影響を与えるのかを深く考えさせる内容となっています。言語学や文化人類学に興味のある方にとって、必読の一冊です。
書籍情報
- - 書名: 別冊日経サイエンス279『変わりゆく言語ことばと認識の関係を科学する』
- - 編者: 日経サイエンス編集部
- - 発売日: 2025年7月28日
- - 定価: 2,420円
- - 仕様: A4変形版・128ページ
- - ISBN: 978-4-296-12364-3
- - 発行: 日経サイエンス
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