四天王寺大学と羽曳野市の防災学習の連携
大阪府羽曳野市に位置する四天王寺大学が、地元の羽曳野市および大阪南消防組合と手を組み、防災教育に関する新たなプロジェクトを2024年秋から展開します。このプログラムは、学校教育の中で災害発生時の防災教育を探求するためのものであり、専門的な知見や実務経験を持つ方々から直接学ぶ貴重な機会となっています。
背景
近年、日本では大規模な自然災害が頻発しており、豪雨や台風、大地震などが日常生活に直結する恐ろしい現実となっています。これに伴い、個人の防災意識と実際の行動が求められる時代です。ただ物的な備えを整えるだけでなく、適切な避難経路の確認や、十分な情報収集が重要視されています。しかし、災害は予測できない形で発生するため、単にマニュアルを遵守するのではなく、各人が主体的に判断し行動できる力を育てることが求められています。教育現場では、このような力が十分に育成されていない現状があるため、四天王寺大学はこの課題に取り組むことにしました。
プロジェクトの目的
この防災学習プログラムでは、主に以下の3つの目的を設定しています。
1.
主体的な判断力の育成: 災害時における適切な判断を行い、自ら行動できる子供たちを育成するために、教育者には防災や減災、復興に関わる知識が必要です。
2.
多様性の認識: 災害時にはさまざまな人々の協力が不可欠です。プログラムを通じて、マイノリティを含む多様な人々の存在に気づき、協力し合うことの重要性を学びます。
3.
主体的な関与の姿勢の確立: 自ら防災教育や実践に積極的に参加しようとする態度を育むことを目指します。
授業計画
プログラムは2024年9月26日から始まり、各週に様々なテーマに沿った授業が展開されます。初回の授業は「防災のリレートーク」と題し、地域の防災団体、教育者が参加し、それぞれの防災経験について語ります。また、10月3日には、「防災教育ミニシンポジウム」が開催され、専門家や消防関係者から防災教育の現状と課題について講演を受ける予定です。
その他授業では、文献の読み方や資料収集のスキル、プレゼンテーション能力の習得を中心に進められ、最終的には参加者全員参加のプレゼンテーション発表会が行われる予定です。これにより実践的な知識や技術を身につけ、地域社会における防災人材を育成します。
地域との連携
このプログラムは単に四天王寺大学内で完結するものではありません。羽曳野市や地元消防局との密接な連携によって、地域の防災力を向上させる具体的な施策として位置付けられています。参加する学生は、地域のニーズを理解し、実際にそのニーズに応じた活動を展開するための能力を養うことが求められています。この取り組みにより、地域全体での防災意識を高める一助となることが期待されています。
四天王寺大学の取り組みは、今後の地域社会における防災教育の道筋を示す重要なプロジェクトとなるでしょう。地域とともに学び成長するこの試みが、災害に強い未来を築く一歩となることを願ってやみません。