3000人アンケート調査から紐解く!電力料金と新電力の実態
2024年9月、3000人を対象としたインターネットリサーチで、電力料金の高騰を実感している人の割合や、新電力会社に対する認知度、契約状況、そして新電力会社を選ぶ際のポイントなどを調査しました。本記事では、その調査結果を詳細に解説します。
電気料金の高騰:国民の9割以上が実感
調査によると、近年の電力料金の高騰を実感している人は実に93%にのぼりました。一方、「高騰を実感していない」と回答した人はわずか7%でした。これは、2024年6月の一般家庭用電力量料金単価が27.62円/kWhと、前年同月比で9.47%も値上がりしている現状を反映していると言えるでしょう。
月々の電気料金:世帯構成による差
月々の電気料金の平均は、1万872円でした。世帯構成別に見ると、子どもがいる既婚者世帯が最も高く1万2,772円、次いで子どもがいない既婚者世帯が9,366円、独身者世帯が7,631円という結果になりました。これは、世帯人数の増加に伴い、電気料金も比例して高くなる傾向にあることを示しています。10年前のデータと比較すると、その差は歴然としており、電気料金の高騰が実感として伝わってきます。
節電対策:現状と課題
電力料金を抑えるための工夫として、「特になにもしていない」と回答した人が49%を占めました。電力料金の高騰を実感しているものの、具体的な対策に至っていない人が多い現状が明らかになりました。一方、「電化製品の使用方法の見直し」「省エネ家電への買い替え」「電力会社の見直し」といった対策を行っている人もおり、その割合はそれぞれ20%、16%、13%でした。
新電力会社の認知度:まだまだ低い現状
新電力会社の存在を知っている人は69%、知らない人は31%という結果になりました。2016年4月から一般家庭への電力自由化が始まって以降、年月が経過しているものの、いまだ3割以上の人が新電力会社を認知していないことが明らかになりました。
新電力会社:認知度が高いのは大手企業
新電力会社の中で認知度が高いのは、「東京ガス」「auでんき」「楽天でんき」「ソフトバンクでんき」「ドコモでんき」など、大手ガス会社や通信事業者系企業でした。特に「東京ガス」は17%と高い認知度を誇り、地域密着型の企業も地元では高い認知度を得ている傾向が見られました。
新電力会社へのイメージ:価格と信頼性が鍵
新電力会社に対するイメージは、「価格が安そう」が36%と最も多く、次に「多様な契約プラン」「環境に配慮している」といった肯定的な意見が挙げられました。一方で、「どの会社を選べばいいかわかりにくい」といったネガティブな意見も多く存在しました。
新電力会社契約状況:現状と将来展望
現在、新電力会社と契約している人は全体の26%、それ以外の電力会社と契約している人は74%でした。新電力会社に契約を切り替えることを検討している人と検討していない人はほぼ半々でした。
新電力会社への切替えを検討していない理由
新電力会社への切替えを検討していない理由として、「信頼性が低い」「どの会社を選べばいいかわかりにくい」「料金が不透明」「切替えに伴う作業が面倒」といった意見が多く挙げられました。特に「どの会社を選べばいいかわかりにくい」という意見は、新電力会社に対するイメージ調査でも多く見られました。
新電力会社を選ぶ際の重視要素
新電力会社を選ぶ際の決め手となる要素は、「料金の安さ」「信頼性が高い」「安定した電力供給」の順に重視されています。価格が最も重視される一方、信頼性や安定性も重要な要素であることがわかります。
まとめ:賢い電力選びのポイント
今回の調査から、電力料金の高騰を実感している人が多く、節電対策も重要な課題であることがわかりました。新電力会社への関心は高まっているものの、認知度や信頼性、プランの分かりにくさなどが、契約への障壁になっていることが浮き彫りになりました。賢い電力選びには、料金の安さだけでなく、信頼性、安定性、プランの分かりやすさなどを総合的に考慮することが重要です。