アジアの決済を革新する「Ratio」
Kaia社が手がける新しい金融インフラ、「Ratio(レシオ)」がついにお目見えしました。このプロジェクトは、アジア全域におけるクロスボーダー決済や外国為替(FX)の高度化を目指して設計されており、その最初の公開は香港で行われたグローバルブロックチェーンイベント「Consensus Hong Kong」にて実施されました。
アジア市場における課題
アジアは世界最大のクロスボーダー決済市場を擁しますが、その運用には多くの課題が存在します。高い手数料や、取引が完了するまでに要する長い時間が問題視されており、既存の清算プロセスでは1〜3営業日かかることが珍しくありません。さらに、取引コストは1.5〜3.0%にも達することがあります。
これらの問題に対処するため、Ratioは「オーケストレーションレイヤー」として設計され、24時間365日対応の即時清算環境をサポートしています。これにより、取引コストを削減しつつ、スムーズな決済フローを実現します。
「Ratio」の機能
Ratioの設計は、特に機関利用を意識しており、以下の三つの主要機能を持つことが特長です。
1.
高度なFXエンジン
銀行間仲介プロセスを最適化し、機関水準の為替条件での取引処理を可能にします。
2.
インテリジェント・リクイディティハブ
ステーブルコイン発行体や金融機関ネットワークなど複数の流動性ソースを接続し、最適な清算経路を自動選択します。
3.
統合型リターンエンジン
清算プロセス中に発生する余剰資金を効率よく活用します。
また、Ratioは単一API構成を採用しているため、決済サービス提供者(PSP)や金融機関が簡単に接続でき、複雑なシステム統合なしで利用することができます。これにより、正確な法令や規制要件を反映した形での迅速な対応が可能です。
今後の展望
RatioのChief Stablecoin Officerを務めるJohn Cho(ジョン・チョー)氏は、このインフラがアジア市場の複雑な環境で信頼性を確保するために設計されたものであると強調しています。また、特に国ごとの規制環境や金融市場構造の理解が重要であることを指摘しました。現在、Ratioは一部の機関パートナーと共にPhase 1の展開を進めており、2026年後半を目指してAPIの本格提供を拡大する予定です。
このように、Ratioはアジアにおける分断された決済環境を統合し、次世代の金融インフラを提供することを使命としております。未来の金融取引をより効率的に、より信頼性高く運用するためのカギを握る存在となるでしょう。
アジア市場におけるクロスボーダー決済の新たな章が、Ratioによって開かれようとしています。