サイクリストも守る!新型フォレスターのエアバッグ技術
SUBARUは、2025年4月に発売予定の新型フォレスターに、世界初の「サイクリスト対応歩行者保護エアバッグ」を搭載することを発表しました。この革新的な技術は、交通事故の際に車両と衝突したサイクリストや歩行者を守ることを目的としています。
新たな安全基準の確立
このエアバッグは、従来の歩行者保護エアバッグの進化版であり、今回の設計ではより広い範囲をカバーできるように改良されました。具体的には、エアバッグは車両の外部に設置され、展開時にはフロントピラーまで拡大します。この設計により、サイクリストの頭部が高くなることが多いため、頭部の保護性能が強化されています。
「SUBARUが目指すのは死亡交通事故ゼロです。そのため、事故形態に着目し、特に日本市場における交通弱者との事故を意識しています。“万が一の事故”で、衝突相手を保護するための装備を進化させてきました」と、株式会社SUBARU商品事業本部プロジェクトゼネラルマネージャーの只木克郎氏は語ります。
衝突リスクの低減
サイクリストとの衝突事故では、衝突時にサイクリストの体が車両の上に乗り上げることが多く、頭部がフロントピラーに接触するリスクが高まります。新型フォレスターの歩行者保護エアバッグでは、その展開範囲を広げ、容量も約1.5倍に増加させることで、より効果的に保護する設計が施されています。これにより、事故による深刻な怪我を減らすことが期待されています。
モビリティの安全性向上
オートリブの最高技術責任者ファビアン・デュモン氏は、「車内の乗員だけでなく、車外の人々を守ることも重要です。このソリューションは、より安全で持続可能な未来の実現に向けた挑戦であり、モビリティ安全の向上への取り組みを体現しています」と語っています。実際、世界保健機関(WHO)によると、交通事故による死者の半数以上が交通弱者、つまり歩行者やサイクリストなどが占めています。これからの安全技術の導入が急務であることがわかります。
未来への展望
この「サイクリスト対応歩行者保護エアバッグ」は、新型フォレスターの日本仕様に初めて搭載されていますが、オートリブはこの技術を今後、グローバル市場へ展開することも視野に入れています。35年以上にわたり、日本市場で自動車安全ソリューションの開発を続けてきたオートリブは、今後も先進的なソリューションの提供を進めていく方針です。安全はもちろんのこと、持続可能なモビリティを実現するために、引き続き取り組みを続けるでしょう。
この革新的なエアバッグ技術により、サイクリストや歩行者の安全が一層強化されることが期待されます。そして、この開発がもたらす影響は、単なる自動車メーカーの枠を超え、社会全体の交通安全への意識を高めるきっかけとなるでしょう。