日本では少子化が進行中で、2024年には出生数が70万人の大台を切ると予測されています。一方で、さい帯血の保管需要は年々増加しており、特に関東圏ではその数が顕著に伸びています。この背景には、妊娠中の不安感から子どもや家族の健康を守りたいという親の気持ちが強く影響しています。
株式会社ステムセル研究所は、さい帯血の保管において国内シェアの99%を誇ります。さい帯血とは、出産時に採取できる赤ちゃん自身の血液で、幹細胞が多く含まれ、様々な医療への応用が期待されています。さい帯血採取は依頼することで、痛みや危険なく行えるという特長もあります。
東京都にある総合母子保健センター愛育病院の百枝幹雄病院長によれば、出生率が低下する中、さい帯血保管が選択肢として再評価されているとのこと。「当院では保管に対するリクエストが多く、さい帯血を使用した治療も今後広がるでしょう」と語ります。
また、東京衛生アドベンチスト病院の原澄子産婦人科部長は、妊娠中の不安を抱える妊婦たちが、自分の子どもにできる最善の選択をしたいと考えていると指摘しています。近年、さい帯血を用いた臨床研究も進展しており、その医療利用が明らかに増加しています。特に自閉症スペクトラム障害に対する研究も今年に入って始まっています。
西洋孝教授(東京医科大学病院)は、一人の女性が生涯に産む子どもの数が減っているため、より一層我が子に健やかな未来を望む気持ちが強まっていると話します。「祖父母世代が保管費用を負担するケースも増えており、家族全体での選択肢として定着しつつある」とも言います。
さい帯血保管の重要性はますます高まっており、再生医療の新たな可能性を開いています。例えば、高知大学では脳性麻痺患者に対するさい帯血の投与に関する研究があり、投与された全員に運動機能の改善がみられたと発表されています。
大阪公立大学でも同様に自閉症スペクトラム障害に対する臨床研究が準備されています。これらのことから、今後もさい帯血保管に対する関心が高まることが予想されます。少子化の状況下で、我が子のためにできることをしたいという家族の願いは、ますます強くなるでしょう。
さらに、株式会社ステムセル研究所は、保管サービス「HOPECELL(ホープセル)」を提供しており、未来の医療における選択肢としての可能性を広げています。これからの医療が急速に進化する中、さい帯血保管はその一助となるに違いありません。少子化が進む日本社会において、家族の未来を見据えた選択が広がりつつあることは、希望の光と言えるでしょう。