サーキュラーエコノミーに向けたポリプロピレン製造技術の実現へ

需要高まるポリプロピレン

ポリプロピレンは、現代の様々な分野で活躍するプラスチック素材の一つです。その特性から、今後も需要が高まることが予想されています。しかし、その一方でプラスチック製品の焼却時に二酸化炭素（CO2）が排出されるという環境問題も深刻化しており、これらの課題に対処するための新たな製造技術が求められています。

共同調査スタート

そんな中、日本ポリプロ株式会社は、日揮グローバル株式会社と共同で、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーに対応したポリプロピレンの製造に向けた調査を開始すると発表しました。この取り組みでは、カーボンリサイクルを行い、資源が循環可能なポリプロピレンを製造する技術の確立を目指しています。コラボレーションの核心となるのは、日揮グローバルが開発した「DTP®プロセス」と、日本ポリプロが持つ「JPP Horizone™プロセス」の融合作業です。

融合プロセスによる効率化

この融合プロセスの特徴は、水素とCO2からメタノールを合成し、それを出発原料としてポリプロピレンを製造するという点です。このサステイナブルなプロセスによって、ポリプロピレン製品のライフサイクルにおけるカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミー実現に向けた大きな一歩が期待されています。特に、資源の効率的な使用と経済的なプロセスの確立がカギとなります。

技術開発のスケジュール

両社は、2025年を見据えて、この融合プロセスの設計と開発を進めていく計画です。その過程において、省エネ化や設備の共通化などの技術的なシナジーが確認できれば、次のステップへと進むことができるでしょう。また、その成果は、2025年4月15日から18日にかけて中国の深圳で開催される「Chinaplas 2025」で発表される予定です。