アストロスケール、スペースデブリ問題に立ち向かい210億円調達を達成
アストロスケールの新たな成果
2023年10月13日、日本の株式会社アストロスケールホールディングスが、スペースデブリ(宇宙ごみ)問題に果敢に取り組む中で、シリーズEの資金調達において210億円を超える額を達成したことが発表されました。これは、宇宙環境の持続可能性を追求する中で、非常に重要なステップとなります。アストロスケールは、軌道上サービス専業の宇宙ベンチャーとして、規模別に見ても世界最大級の企業であることをより一層強調しました。
投資者と調達の背景
今回の資金調達は、リードインベスターであるエースタートが運営するファンドを中心に行われました。さらに、アイネットや清水建設、スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー、ヒューリックといった企業も参加しました。このような多様なバックグラウンドの投資者が加わることで、アストロスケールのプロジェクトはより広範な支持を得ることができるでしょう。
アストロスケールは、2013年の創業から約半ばの期間で、定期的に資金調達を行ってきました。現在では、5カ国において約140名の社員を有するグローバルな企業に成長を遂げています。特にイギリスでは、スペースデブリ除去サービスのための運用基盤として、国立軌道上サービス管制センターを設置し、デブリ除去実証衛星「ELSA-d」の打ち上げ準備を進めています。
デブリ問題に対する認識の高まり
アストロスケールの創業者兼CEOである岡田光信氏は、デブリ問題への社会的認知度が高まってきたものの、宇宙空間におけるデブリの脅威が日増しに増加していることを指摘しました。地球の持続可能性を確保するためには、宇宙技術の安全な利用が必須であると強調しています。この度のシリーズEの資金調達は、アストロスケールが獲得した技術開発と事業化のために必要な資金であり、業界におけるリーディングカンパニーとしての地位を強固にするものです。
課題解決に向けたビジョン
エースタートの渡邊一正氏も、スペースデブリの問題がSDGsの観点からも重要であり、アストロスケールがこの課題に果敢に挑む企業であると語りました。最近では国際宇宙ステーションが宇宙ごみとの接触を避けざるを得ない場面が増加しており、アストロスケールはこれらの課題に対して一層の努力を重ねる必要があります。
特に、回転状態に対するデブリ捕獲や非協力物体へのアプローチを一連のシステムとして実証する「ELSA-d」の技術が、宇宙環境の持続可能性に向けた重要な一歩となることが期待されています。2020年度の打ち上げに向け、準備が進められています。
今後の展望
アストロスケールは、持続可能な宇宙環境を目指し、技術開発だけでなく、ビジネスモデルの構築や規範の策定にも取り組んでいます。宇宙デブリを減少させ、軌道上サービスの実現を目指すこの企業の活動は、今後の宇宙産業においても重要な位置を占めることでしょう。アストロスケールの発展がどのような形で宇宙環境に寄与するか、多くの人がその動向に注目しています。
会社情報
- 会社名
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株式会社アストロスケールホールディングス
- 住所
- 東京都墨田区錦糸4-17-1ヒューリック錦糸町コラボツリー
- 電話番号
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