慶應イノベーションがJiMEDに出資
慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)が、大阪大学を母体とするスタートアップ、株式会社JiMEDに対して出資しました。この出資により、JiMEDは合計で約3.5億円を調達し、ワイヤレス埋め込み型BMI(wiBMI®)の開発を加速させる予定です。
JiMEDとは
JiMEDは、2020年に設立された企業で、ワイヤレス体内埋め込み型BMI及びBCIの開発、製造、販売を手掛けています。同社の目標は、重度の神経疾患により身体を動かせない「閉じ込め状態」の患者に対して、新しい治療法を提供することです。これにより、患者の自立を支援し、生活の質を向上させることを目指しています。
ワイヤレス植込型BMIの技術
JiMEDが掲げるwiBMIは、脳の信号を読み取り、人工知能の技術を駆使して、その信号を解読します。この過程により、患者は自分の思考によってパソコンやアシストデバイスを操作できるようになります。この画期的な技術は、全世界で年間400万人以上の人々が直面している閉じ込め状態の課題を解決する可能性を秘めています。
資金調達の目的
KIIからの出資により、JiMEDは研究開発をより一層進められる環境を得ることになります。また、JiMEDは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構からも助成を受ける見込みです。助成金の額は最大で2億6500万円にのぼり、これによりさらに開発が加速すると期待されています。
社会へのインパクト
この技術が成功すれば、閉じ込め状態の患者が日常生活を送るためのサポートを受けることが可能になり、家族とのコミュニケーションや自立した活動を促す一助となります。これは、社会における身体障害者の支援に大きな進展をもたらすでしょう。
KIIのビジョン
慶應イノベーション・イニシアティブは、アカデミア発の研究成果を応用したスタートアップを支援し続けています。2023年にはインパクトファンドを設立し、社会的課題に対する解決策を提供するスタートアップへの投資を強化しています。彼らのミッションは、健康で幸福な人生へのアクセスをすべての人に提供することです。
まとめ
JiMEDの開発するワイヤレス植込型BMIは、重度の神経疾患に悩む患者に新しい可能性をもたらすものです。KIIの出資を受けたことで、技術の実用化が加速し、患者の生活を根本から支える社会の実現に向けた第一歩が踏み出されました。今後のさらなる進展を期待しましょう。
会社情報
- - 会社名:株式会社JiMED
- - 所在地:大阪府吹田市山田丘2-8 テクノアライアンス棟C棟
- - 設立:2020年3月26日
- - URL:JiMED
- - 会社名:株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ
- - 所在地:東京都港区
- - 設立:2015年12月
- - URL:慶應イノベーション