2023年 リユース利用実態調査
2023年のリユース市場は前年比7.8%増の3兆円を超え、14年連続の拡大を記録しています。この成長の背景には、物価の上昇に伴う消費者の生活防衛意識の高まりや、サステナビリティを意識したライフスタイルの浸透があるとされています。本記事では、地域ごとのリユース実態に焦点を当て、調査結果を詳しく掘り下げていきます。
調査結果の概要
調査結果では、特定の地域でのサステナビリティの意識やリユースサービスの利用頻度に顕著な違いが見られます。特に、サステナビリティについての認識が最も高かったのは「山口県」で、44%の人々が考える頻度が増えたと答えました。それに続くのは「滋賀県」と「福岡県」で、それぞれ40%と38%の結果となりました。
一方、「広島県」と「徳島県」では、調査参加者の約3割がリユースサービスを毎月利用しているという結果が出ています。これに対し、最も利用頻度が低かったのは「宮城県」で、わずか6%という結果でした。
利用理由とその傾向
リユースサービスの利用理由としては、「節約」が56.3%で最多でした。次いで「不要なものを処分したい」が43.7%、さらに「レアものやヴィンテージ商品を手に入れたい」という回答が20.1%でした。この背景には、物価上昇が影響し、消費者が経済的な合理性を追求している様子が伺えます。
さらに、リユースサービスとの接点として最も多く挙げられたのが「店舗」で61.8%でした。近年、オンラインサービスが普及している中、オフラインの店舗での取引が根強く人気であることが明らかになりました。
利用額の比較
調査では、リユース/中古アイテムを過去1年間に購入した金額を把握することも行われました。「1,000円~5,000円未満」という回答が最も多く、全体の35%がこの価格帯に集中しています。地域別に見ると、「福井県」と「福岡県」で調査に参加した人の13%が「10万円以上」購入している結果が得られ、全体の平均から大きく上回っています。
リユースサービスの影響
また、リユースサービスを通じて得た金額に関する調査も行われました。1,160名の参加者のうち、「1,000円~5,000円未満」と回答したのが最も多く、27.8%でしたが、東京都では18.2%が「10万円以上」の換金ができたと報告しています。このように、リユースサービスの利用によって得られる経済的利益にも地域差が存在することが明らかになりました。
主な発見
「福岡県」は、月に1回以上リユースサービスを利用する割合や、過去1年での購入額、換金額においていずれも上位にランクイン。リユースサービスを使いこなす県民性が強いことが示唆されています。調査結果からは、各エリアでのリユース意識の高まりとニーズの変化、そしてサステナビリティへの取り組みが感じ取れます。
調査の詳細
本調査は、全都道府県における10代から50代の男女2,350名を対象に行われました。調査期間は2024年9月12日から9月26日までで、インターネットを用いて実施されました。各都道府県の特徴が浮き彫りになったこの調査結果は、今後のリユース市場における重要な指標となるでしょう。
まとめ
2023年のリユース市場の成長と地域ごとの利用実態を通じて、私たちが抱えるサステナブルな未来への意識の高まりを実感します。今後もリユースの重要性が高まっていく中、地域特性に応じた取り組みが求められるでしょう。