江崎グリコ、－25℃冷凍倉庫に無人搬送車を導入し物流改善を目指す

江崎グリコ、無人搬送車を導入

江崎グリコの完全子会社である関西フローンが、広島支店の新築移転に合わせて、冷凍倉庫業務において無人搬送車（AGV）を導入しました。これにより、-25℃という過酷な環境下での重量台車の搬送が自動化され、倉庫管理システム（WES）との連携によって業務効率が大幅に改善されます。さらに、食材の品質を保ちながら社員の負担を軽減し、安全性の向上が期待されています。

導入の背景

最近の物流業界では人手不足や高齢化によって、特に冷凍倉庫内での作業環境が厳しくなっています。作業の効率性を向上し、従業員の安全を確保することは喫緊の課題です。このような背景から、関西フローズンは広島支店の移転を機に、従来の人力に依存した業務から脱却し、効率性と安全性を両立させる新たな物流モデルの構築を進めています。

AGV導入の概要

関西フローズンは、愛知機械テクノシステム株式会社と共同でAGVの開発を行いました。このプロジェクトでは、冷凍倉庫に適した設計・機能が求められました。具体的な工夫としては、-25℃の冷凍環境下でもバッテリーの安定性を維持し、結露や凍結によるセンサーの誤動作を防ぐ仕組みが組み込まれています。

運用モデル

AGVは、搬送と荷役作業を自動で連携させる仕組みを整え、冷凍庫内の作業が効率的かつ安全に進められるよう設計されています。これにより作業効率は大幅にアップし、倉庫内での人手作業が減少します。

導入による効果

この導入によって、AGVは年間で約4,928時間の作業時間を削減します。これにより、従業員の腰痛や凍傷のリスクが低減され、安全な労働環境が整います。また、搬送作業の効率化はトラックの待機時間も短縮します。配送の短納期への対応力が高まり、顧客満足度も向上するでしょう。

出荷ミスの削減も重要なポイントです。出荷ミス率はほぼゼロに近づき、作業ミスが減ることで物流のクオリティが向上します。また、エネルギー利用や運用コストも最適化される見込みです。

今後の展開

関西フローズンは、今回の導入を皮切りにその効果を検証し、全国のGlicoグループ物流倉庫へと順次展開していく予定です。また、冷凍物流の新たな標準モデルを確立し、業界全体の効率化と安全性向上に貢献していきます。

企業情報

関西フローズン株式会社は、江崎グリコの100％子会社で、アイスクリームや冷凍食品の卸売・配送・売場管理を手掛けています。近畿地域を中心に15拠点を展開し、POSデータを活用した販促提案や「セブンティーンアイス」の自販機運営も行っています。1996年に設立した本社は京都府八幡市にあり、現在約570名の従業員を擁しています。

会社情報