NFT経済実証実験
2024-07-25 10:23:20

電通グループとホロラボが目指す新時代のNFT経済の実証実験

電通グループとホロラボが取り組むNFT経済の実証実験



近年、NFT(非代替性トークン)の技術が新たな経済圏を形成しつつあります。その中でも特に注目されるのが、株式会社電通グループと株式会社ホロラボが共同で進める「地理空間連動NFT」の実証実験です。このプロジェクトは、AR(拡張現実)アプリとスマートコントラクトを活用し、クリエイターに報酬を自動分配する仕組みを検証するものです。

実証実験の概要



この実証実験は、電通グループのR&D組織である電通イノベーションイニシアティブ(DII)が中心となり、2023年に開発した「地理空間連動NFT」技術を使用します。具体的には、海岸など特定の地理的場所に配置された3D映像と楽曲が、人々によって体験されるごとに制作したクリエイターに自動的に報酬が支払われる仕組みが組み込まれています。これにより、クリエイターの作品が持つ場所ごとの価値を引き出すことを目指しています。

ARアプリ「Spatial Curator」の導入



実証実験では、「Spatial Curator」と呼ばれるARアプリが使用されます。このアプリでは、特定の場所に配置された3Dコンテンツを訪れたユーザーが体験することで、それがクリエイターへの報酬にどう結びつくかを見極めます。たとえば、利用者が海岸のベンチに設置された3D映像を体験すると、その都度制作したクリエイターに報酬がリアルタイムで送られるという流れです。

若年世代への影響



さらに、DIIは毎年開催している落合陽一サマースクールで得た知見を活用し、若年世代が制作したコンテンツもこの実証実験に組み込まれています。学生たちは、自ら生成AI技術を用いて制作したコンテンツを地理空間に配置し、体験を通じてどのように報酬が得られるかを学ぶことになります。これは、彼らが将来的にクリエイターとして市場に参入する際の貴重な経験となることでしょう。

ブロックチェーンとSMART契約



この実証実験での重要な要素となるのがブロックチェーン技術とスマートコントラクトです。スマートコントラクトを通じて、クリエイターに報酬が自動的に分配されるため、透明性と信頼性が担保されています。また、ブロックチェーン技術を活用することで、従来のような中間業者を排除し、より効率的な取引が可能になります。この仕組みが実現すれば、クリエイターたちのガバナンスや権利管理が劇的に変わることでしょう。

新たなUGCコンテンツ市場の創造



今回の実証実験によって、AR技術とNFTが組み合わさることで新しいUGC(ユーザー生成コンテンツ)市場の可能性が導き出されます。ユーザーが自らの体験を通じて生成したコンテンツがトークン化され、その価値がクリエイターに還元される仕組みは、コンテンツの民主化を促進し、参加するすべての人々にとって利益をもたらすことが期待されます。

未来へ向けての展望



この実証実験の成果が実証されれば、地理空間に関連したコンテンツとクリエイターの未来にとって、非常に価値のあるデータが得られることになります。実験を通じてわかる新たな経済圏やUGCコンテンツの可能性に期待が高まります。電通グループとホロラボ社が見据える未来のNFT経済が一体どのようなものであるのか、ますます楽しみです。


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