高齢者の買い物をサポートするKAERU、1.3億円の資金調達成功
超高齢社会が深刻化する日本で、KAERU株式会社が約1.3億円の資金調達を成功させました。この資金をもとに、KAERUは高齢者向けのフィンテックサービスの拡充を目指します。特に、誰もがお買いものを楽しむことができる社会の実現を目指しており、その取り組みの重要性は年々高まっています。
KAERUの立ち上げと目的
KAERUは2020年に設立され、代表取締役の岡田知拓氏が推進するこのプロジェクトは、高齢者やその家族が直面する買い物や金銭管理の課題を解決することを目的としています。特に、認知機能の低下が進行する中でも、高齢者が自分らしく生活を続けられるような支援を提供することが焦点となっています。
KAERUでは、アシスタント機能や見守り機能を組み込んだ決済サービスを展開しており、高齢者本人やその家族、適切なサポートを必要としている行政に対して様々なニーズを満たすサービスを提供しています。
資金調達の背景
今回の資金調達の引受先には、かんぽNEXTパートナーズや株式会社ツクイキャピタル、名南M&Aなど、多様な企業が名を連ねています。投資家たちは、「誰もがお買いものを楽しめる社会」というKAERUのビジョンに共感し、資金提供を決定しました。
KAERUは、この資金を活用してサービス価値の向上を図りつつ、B2B2Cの形で顧客基盤を広げる方針です。これにより、より多くの高齢者に対して直接的な支援を行える体制が整うことが期待されています。
直面する課題と解決策
日本の高齢者は、2030年には約532万人が認知症を抱えると予測されています。この背景には、年齢による認知機能の低下や金銭的な管理の難しさがあり、KAERUのサービスはそうした課題の解決に大きな寄与を果たす可能性があります。具体的には、物理的な現金取り扱いやそのリスクを軽減し、より効率的な金銭管理を実現します。
KAERUの「KAERU(かえる)」という名称には、自由にモノを『買える』、自分やお財布が『帰る』、常識を『変える』という3つの意味が込められています。これにより、高齢者が安心して買い物を楽しむための新しいインフラを提供することを目指しています。
KAERUの成長と今後の展望
現在、KAERUでは人材の採用も強化しており、ビジネスデベロップメントや営業、カスタマーサポートなどのポジションが設けられています。少人数の組織ではありますが、新たなメンバーを迎え入れ、事業拡大を進める段階にあります。
これからのKAERUは、認知症を抱える高齢者とそのサポートを必要とする家族、行政のために、高度なサービスを提供することが求められています。さらに、投資家たちからの強力な支援も受けており、他の組織とのアライアンスを通じて、より広範囲にわたる顧客基盤を構築することが見込まれています。
結論
KAERUが提供するフィンテックサービスは、高齢社会における重要な解決策となりつつあります。今後の成長に期待が寄せられる中で、「誰もがお買いものを楽しめる社会」に向けた取り組みはますます重要です。KAERUの新たな挑戦がどのように進展していくのか、引き続き注目していきたいと思います。