独立行政法人国立高等専門学校機構 富山高等専門学校、通称「富山高専」。その名が全国に響き渡るニュースが飛び込んできました。本校の学生・ラパニキータさんが、2024年度第1回の実用英語技能検定、通称「英検」でなんと1級に合格したのです。この偉業の報告が、校長の國枝佳明先生に届けられたのは、令和6年10月10日のことでした。
英検1級の難易度
英検は、日本の英語の語学検定のひとつで、公益財団法人日本英語検定協会によって行われています。その中でも、英検1級は特に難関な資格として知られています。一次試験にはマークシート形式の問題や記述式の英作文が含まれ、二次試験では面接官との自由会話やスピーチ、Q&Aが行われます。合格率は2015年度において12.0%であり、TOEICで900点を超える英語力を持つ人でも通過が難しい試験です。そのため、英語教師でさえも合格する割合は非常に少なく、多くの受験者にとって大きな壁となっています。
合格までの道のり
ラパニキータさんは、本校の学生として英検1級に合格した3人目の人材であり、3年生では初めての快挙です。彼女は2年生のときに初挑戦し、惜しくも不合格。しかし、それにめげず、再び挑戦することを決意しました。合格に向けての努力は多岐にわたり、一番大きな課題は長文問題に出現する難解な単語の暗記です。彼女は何度も単語帳を開き、重要な単語をノートにメモするなどして徹底的に準備。また、ネイティブ教員からの指導を受け、スピーキング能力も磨きました。家族を相手に模擬面接の練習を重ねるなど、練習も怠りませんでした。
ラパニキータさんの背景
ラパニキータさんは、母語がロシア語でありながら、日本での生活が長く、日本語も母語のように使いこなしています。英語圏での長期滞在経験はありませんが、学校の授業や自主的な勉強を通じて、着実に英語力を向上させていきました。さらに、彼女の趣味は読書で、ドストエフスキーの『罪と罰』を含む多様な書籍を楽しんでいます。このような読書の習慣も、彼女の言語能力を育む一助となっています。
富山高専における英語教育
富山高専の射水キャンパスでは、低学年から総合英語、英語表現、英会話など多岐にわたる授業が行われており、学生が実用的な英語力をバランスよく身につけられるよう指導しています。さらに、英語検定を通じて自身のスキルをチェックし、自主的に学ぶ環境が整えられています。年度ごとに英語能力を測定できる場を提供し、学生のスキルアップに寄与しています。
富山高専について
富山高等専門学校は、2009年10月に富山工業高等専門学校と富山商船高等専門学校が統合して誕生しました。工学系の4学科、国際ビジネス学科、商船学科の6学科で構成されており、多くの技術者やビジネスパーソンを育てています。結果として、富山高専は国内でも有数の高等教育研究機関として位置づけられています。この度のラパニキータさんの英検1級合格は、学校全体にとっても名誉ある出来事であり、彼女の今後の活躍が期待されています。