能登半島地震から1年、珠洲市で新たな居住スタイルを提案
2022年に発生した能登半島地震からちょうど1年が経過しました。石川県珠洲市は震災による大きな被害を受け、数多くの建物が倒壊や損壊し、地域の復興に向けた取り組みが急務となっています。そんな状況の中、合同会社CとHが新たな地域振興策を打ち出しました。彼らはクラウドファンディングを通じて、二地域居住を促進する「シェア型住空間」と、人々が交流できる「ソーシャルスナック」をオープンするための資金を集めています。
地域復興のカギは二地域居住の促進
珠洲市は、震災により約10,000人の人口のうち多くが移住を余儀なくされています。その中で、一般的な宿泊施設の不足が復興を妨げている現状があります。CとHは、24時間利用可能なコワーキングスペース「OKNO to Bridge(奥能登ブリッジ)」の向かいにシェア型住空間とソーシャルスナックをオープンすることで、地域と都市部の人々の交流を促進しようとしています。
シェア型住空間の特徴
「シェア型住空間」は、シェアハウスとゲストハウスの中間的な存在で、1週間から数ヶ月までの中長期にわたって滞在できるよう設計されています。各滞在者の荷物はロッカーに保管可能で、快適に利用できる環境を整えることが計画されています。このスペースは、都市部に住む方々が定期的に地域に帰り、地域活動や仕事を行うための良好な拠点となることが期待されています。
ソーシャルスナックでの新たな交流
さらに、建物1階には「ママ」や「マスター」として日替わりのゲストが運営に関わるスナック(バー)が開設される予定です。テーマを持った運営が行われることで、新しい出会いや地域の人々との交流が生まれるでしょう。また、施設内にはワークショップやイベント、経営合宿などを行えるホールも設置され、様々な活動の拠点として機能します。海が見える屋上エリアには、リラックススペースとしてペレットストーブやテントサウナも導入される予定です。
未来への希望をつなぐ地域づくり
CとHが目指すのは「創造的復興」と「ワクワクする地域づくり」です。震災によって、地域の課題が一気に進行したと言われており、その対策としてCとHは二地域居住の考え方を取り入れています。地域と都市部の人々が互いに刺激し合い、支え合うことで新しい価値を生み出すことが可能になると考えています。復興は以前の状態に戻すだけでなく、新しいライフスタイルを生み出すチャンスでもあるのです。
クラウドファンディングの詳細
CとHは、シェア型住空間とソーシャルスナックを実現させるための資金をクラウドファンディングで集めています。集めた資金は、建物の水道工事や電気工事、エアコンの設置、内装の改修などに使われる予定です。
終わりに
珠洲市の自然環境や豊かな人間関係は、震災後も変わらず存在しています。新しい取り組みがこの地域から生まれることを、ぜひ皆さんも応援してください。地域と人々の新しい挑戦が実を結ぶことを期待しています。