高知県四万十町が注目する「お試し移住」の魅力とは

四万十町の「お試し移住」が人気を集める理由

高知県四万十町では、働き方や生活スタイルを見直したい若者たちが、「お試し移住」に参加しています。この取り組みは、都会の住民と地域の企業を繋ぎ、短期間の移住体験を通じて、定住の可能性を探るものです。お試し移住は、特に過疎化が進む地域において、地域の活性化にも繋がっています。この記事では、高知県四万十町の「お試し移住」プログラムの詳細と、参加者の声を紹介します。

増える「お試し移住」の取り組み

日本全体で人口減少が進んでいる中、過疎地域では特にその傾向が顕著です。総務省が発表したデータによると、過疎地域に指定される自治体は全国の市町村の半分を越えています。四万十町も例外ではなく、高齢化が進んでいるため、地域の生産性を維持するためにも若い世代の参加が待たれています。

そこで、短期滞在による「お試し移住」が注目されています。全国で92の組合がこの取り組みに参加しており、都会から訪れる若者たちに仕事を紹介する工夫がされています。具体的には、労働者派遣を通じて、参加者は都会生活とは全く異なる「いなか暮らし」を体験することができます。

四万十町での生活体験

四万十町の人口は、過去50年で51.4％も減少していますが、「いなかパイプ」はこの地域における移住プログラムを実施しています。29泊30日間のプログラムでは、自然の中で働きながら生活し、四国西部の農山漁村のリアルな暮らしを体感できます。参加者はカヌー体験、有機農業、漁業など、地域の仕事を手伝いながら、ライフスタイルを見つめ直す機会を得るのです。

40代の参加者のうち約10％の方が移住を決断しており、さらには、結婚に至ったケースもあるため、プログラムは参加者にとって新たな人生のスタートにもなっているのです。

参加者の声

実際にプログラムに参加した若者たちの声を紹介します。一人の参加者は、「都会での仕事に行き詰まり、自然の中で新しい自分を見つけたかった。ここでの体験を通じて、人生の方向性が見つかり、しっかりとした未来を考えられるようになった」と語ります。また、別の参加者は、「自然の中での仕事はストレス解消になり、自然の大切さを再認識しました。ここでの出会いが今の自分を形作っています」と、笑顔で語っています。

地域との連携と支援プログラム

高知県では、メンタルヘルス不調への取り組みも進めています。株式会社リヴァといなかパイプの提携で、地域密着型のインターンシッププログラムを立ち上げることが決まりました。このプログラムは、自然に囲まれた環境でリフレッシュできる場を提供し、都会の生活に疲れた人々への支援を目指します。2024年8月21日には、東京で「自分らしい働き方」をテーマにした説明会を開催します。