原ナビィが描く肉体の美しさ—個展「素手喧嘩」開催

原ナビィ個展「素手喧嘩」開催のお知らせ

2025年8月7日から8月24日まで、渋谷のtHE GALLERY OMOTESANDOで、原ナビィの個展「素手喧嘩（ステゴロ）」が開催されます。本展は、キュレーターの米原康正氏の手によるもので、原ナビィの独自の視点が光る作品群が展示されます。

アーティスト・ステートメント

「素手喧嘩」とは、武器を持たず、肉体そのものだけで挑む最も原始的な戦い方です。力と力が激突し合う中で、互いの意志が交差します。その清々しい姿は、無防備でありながら、ある種の美しさを持っています。私はその存在から、真実の力を感じ取るのです。— 原ナビィ

アーティストプロフィール

原ナビィは2001年に東京で生まれ、現在は東京藝術大学院で油画を学んでいます。彼女の作品は、暴力や怒りの普遍的な表現を通じて、私たちに深い感情を問いかけます。

受賞歴としては、2021年にmuni Art Awardでグランプリ、ビューワー賞を受賞。続いて、2024年の卒業制作ではサロン・ド・プランタン賞や台東区長賞を受賞しました。また、アートフェア東京など、数々の展示会でも彼女の作品が取り上げられています。

展示作品の特徴

米原康正氏は出展作品を見て「暴力の普遍性と、ほんの少しの愛」をテーマにしていると語ります。原ナビィが描く拳は、単なる暴力の美化ではなく、怒りや愛情、絶望といった感情の凝縮された形です。彼女は、その表現において従来の劇画スタイルを取り入れ、「笑えるほどのリアル」を具現化しています。

今回の展示では、拳だけの絵画が壁を埋め尽くし、空間全体を支配します。この体験は、まるで「暴力という存在と向き合う空間」にいるかのよう。