日本のものづくりを支える「KOGEI COMMONS」発足
日本の伝統的なものづくりを守り、革新を求める新たなプロジェクト「KOGEI COMMONS」が始動しました。この画期的な取り組みは、一般社団法人関西イノベーションセンター(MUIC)、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、および福井県の一般社団法人SOEとの協力によって実現しました。
「KOGEI COMMONS」の背景と目的
「KOGEI COMMONS」は、地域ごとのオープンファクトリー団体が相互に交流し、学び合いを通じて、地域の工芸文化や技術を向上させることを目指しています。地域の工芸製品を生産するための知識や技術を共有することが、産地同士の新しい関係を築き、持続可能なものづくりを促進することにつながると考えられています。
これまでに、福井県鯖江市、越前市、越前町の「RENEW」というオープンファクトリーイベントで培われた知見を基に、全国のものづくり団体との連携を進めていくのが主な狙いです。これにより、地域を超えたネットワークを構築し、共創の場を広げることができるでしょう。
「RENEW」とオープンファクトリーイベントの重要性
「RENEW」イベントは、2015年に始まり、毎年地域のものづくり企業を開放し、工房見学や体験型ワークショップなどを通じて、参加者が地域の工芸に直接触れる機会を提供しています。2023年には122の事業者が参加する見込みで、多様な製品や技術に出会える貴重な場となっています。このイベントは、国内最大規模のオープンファクトリーとして成長しました。
「KOGEI COMMONS」の具体的な活動内容
「KOGEI COMMONS」の初めての大規模イベントは、2025年10月に福井県鯖江市で開催予定の「RENEW/2025」と同時に行われます。全国から11のオープンファクトリー団体が集まり、展示、マーケット、ワークショップなどを通じて、地域の独自性を持つものづくりを体験する機会を提供します。
このイベントでは、出展団体が自地域の工芸品や技術を紹介し、来場者が直接触れることで、日本の伝統的な技術の魅力を深く理解することができます。また、各地域のワークショップも企画されており、参加者はさまざまな技術を学び、実際に体験することができます。
地方創生と持続可能なものづくり
MUFGは「KOGEI COMMONS」の支援を通じて、日本各地の工芸文化と産業を未来へつなぐことを目指しています。伝統と革新をテーマに、産地の持続可能な発展に向けた支援を行い、全国のものづくり産地が協力していく姿勢も感じられます。
MUICは、この取り組みにおいて、企画立案・運営をサポートし、産業観光などを通じた地域活性化を促進しています。地方創生で直面する課題についても、大企業やスタートアップとの協業を通じて解決策を模索しています。
未来の展望
「KOGEI COMMONS」は、今回のイベントを第一歩として、地域間の連携を強化するプラットフォームとして成長させていく予定です。継続的なノウハウの共有や、新しいビジネスモデルの創出を通じて、地域のものづくりの未来を明るいものにしていくことでしょう。
日本のものづくりの未来を築くために、必要なリソースと知見を注ぎ込み、次世代の作り手たちが自らの道を切り開いていけるような場を提供していくことが目指されています。今後の展開に期待が高まります。