オランダ視察団が来日、介護と医療分野の未来を共創
2025年に開催される大阪・関西万博に向けて、オランダ王国からの視察団が来日しました。万博のテーマウィーク『健康とウェルビーイング』に関連して、ライフサイエンスやスポーツ・バイタリティーの領域から専門家やイノベーターが集結し、両国における医療や健康分野の先端技術と知見を共有しました。
オランダと日本は数世紀にわたり、医療や研究、イノベーションの分野で互いに知識を交換してきた歴史があります。オランダでは、高齢者に優しい都市環境の整備や、革新的な高齢者ケアの取り組みが進んでおり、日本は高齢者医療や社会設計の分野で実績をあげています。このような相互の取り組みを通じて、長く健康的に暮らすための支援体制が強化されることが期待されています。
この交流は、2023年6月25日と27日の2日間にわたって行われ、「オランダ×日本 介護イノベーション共創ワークショップ」として開催されました。初日は、株式会社エナジィストの代表取締役である田中浩敬氏が、日本の介護業界や事業、現場の情報をオランダ視察団に共有しました。
2日目には、エナジィストが所属するビオネストグループの協力を得て、「介護施設見学」が行われました。また、介護現場に精通したマネージャーたちが集結し、「介護イノベーションアイデア発表会」が開催され、先進的なアイデアが披露されました。
オランダ側の視察団代表であるカルメン・ファン・フィルシュテレン議長は、今回の取り組みについて「両国が直面している高齢化や労働不足という課題への実践的な連携、知識の交換、共同イノベーションの第一歩だ」と述べました。
引き続き、両国の企業や機関が協働することで、ヘルスケアの未来を改革する方向が見えてきます。このような国際的な連携は、健康に年を重ねるための貴重な機会になるでしょう。また、2025年大阪・関西万博のテーマ『いのち輝く未来社会のデザイン』は、ただ寿命を延ばすことではなく、充実した生活を送るための新たなライフスタイルを提示する重要な問いを私たちに投げかけています。
共通の社会課題である高齢化や人材不足に対して、日蘭両国が力を合わせ、革新かつ実践的なソリューションを共同で創出していくことは、未来の社会への重大な貢献となるでしょう。
この交流は、両国間の連携を深める大きな一歩となり、今後の医療と介護における国際的な協力の重要性を再確認する機会ともなりました。
大阪・関西万博では、オランダが『コモングラウンド』というテーマで参画します。これは、人々と健全かつ幸せな社会を構築するための新しい価値を共創することを目指しています。地球規模の課題に立ち向かうためには、各国が持つ専門知識やアイデアを結集する必要があります。
パビリオンの名称は『A New Dawn-新たな幕開け』で、中心には球体があり、持続可能なクリーンエネルギーと日の出を象徴しています。内部は360度のスクリーンとなっており、訪れる人々に音と映像の没入体験を提供します。
このような先進的な取り組みを通じて、オランダと日本が共に未来の医療と介護をデザインし、より良い社会の構築を目指していくことに期待が寄せられています。