渋谷区で子育て支援ロボット「チカロ」を活用した新たな試みが始動

渋谷区で新たな子育て支援がスタート！

東京都渋谷区において、遠隔協同子育て支援ロボット「チカロ」を活用した「チカロきっず」が、2021年10月から実証実験を開始しました。この取り組みは、株式会社ChiCaRoが渋谷区協力のもと、未就学児の発達支援を目指すもので、特に発達に不安を抱える子どもたちにとって、大きな助けとなることが期待されています。

実施内容と取り組みの背景

「チカロきっず」では、渋谷区立保育園の笹塚第二保育園と幡ヶ谷保育園に「チカロ」を設置し、遠隔操作により園児と発達遊びを行います。このロボットを使用することで、園児の日常的な発達状況を観測し、データを蓄積することが可能です。具体的には、週次や月次での発達レポートの作成や、専門家による定期的な巡回が行われ、必要に応じてフォローアップも検討されます。

この取り組みの背景には、保育士へのWebアンケートやヒアリングの結果、約10%もの子どもが発達に関する課題を抱えているという調査結果がありました。早期発見と支援が重要である一方、保育士が子どもの発達に問題があると認識するのは容易ではなく、専門知識も必要です。この課題を解決するために、発達支援を行う専門員が保育園に巡回相談を行っていますが、観察時に特徴が見られない場合もあり、情報共有には限界がありました。

「チカロ」は、日常生活の中で子どもの言語や動作に関するデータを収集し、保育士や保護者とそれを共有することで、より良い育成環境を整える手助けをします。このロボットを通じて、子育てに関わる全ての人が安心して支援できるような体制を築いていくことが目指されています。

「チカロ」とは？

「チカロ」という名称は「Child care robot」の略で、国立大学法人電気通信大学の教授たちによる研究から生まれたものです。特に0〜3歳の幼児が、遠くの人と充実したやり取りができるための独自の遠隔コミュニケーションデバイスとして位置付けられています。この技術は、現代の育児の課題である一人での育児にも対応し、育児ストレスの軽減にも寄与することが実証されています。

今後の展開

実証実験を経て「チカロ」は、保育園や幼稚園、さらには一般家庭でも利用されるように普及していく計画です。特に発達に不安を抱える子どもたちへの支援を強化し、全ての子どもが各々の特性に合ったサポートを受けられるようにすることが、ChiCaRoの大きな目標となっています。今後も技術の進展を通じて、地域社会における発達支援のモデルを築いていくことでしょう。